過去に今
@ginbear13
第1話
「え?」
車は急ブレーキをする。
私の驚きと同じタイミングで強い衝撃と痛みを身体が受け取った。
私がお父さんとお母さんに会った最後の瞬間だった。
「……」
目を開けて周りを見渡しても知ってるいつもの物がない。
取り敢えず、今何時か確認したくて起きあがろうとしたら、
「ッ!」
身体に異常なほどの痛みが襲って来た。
痛みと共に、だんだん思い出して来た。
私事故したんだ、2人は居ないけど無事なの?
聞きに行きたいのに身体が思うように痛みのせいで動かない。
誰か人居ないかな。
「ん?、あ、三船さん意識戻りました!」
「早く先生に伝えないと!」
私が意識戻したことが看護師さんに知れ渡ったらしい。
ホッとした所でまた意識が遠のいてしまった。
「三船さん、体調はもう平気かい?」
「まだあちこち痛いですが、大分動けるようになりました。」
私が入院して思うように動けるようになった時、ずっと気になっていたことを先生に聞いた。先生から2人が即死だったこと、葬儀は私が意識がない時に市の方でやったこと、遺骨をどうするかや、これからやることなど今後の事など沢山言われて何がなんだかわからなかった。
普段両親と仲の良かった私にとっては余りにも唐突の出来事で今でもまだどっかに生きている気がするし実感が湧かない。
「じゃあそろそろ退院だ。」
「分かりました。」
先生と話した結果、この病院には後ニ日いることになった。
「じゃあ後二日間で安静にしててください。以上です。」
「ありがとうございました。」
こうして私は二日間安静にベットで過ごして今日退院日。
「お世話になりました。」
お礼を行って病院を出てタクシーでお家に向かった。
タクシーの運転手があれこれ聞いてくるのをなんとなく合わせて三十分くらいでお家に着いた。
出てお家の敷地に踏み入れると真っ先にあるはずの車がない事に事故が事実だった事になんとも言えない気持ちになってしまう。
なぜ自分だけ取り残されてしまったのか、あの時助かってしまったのか、身体が痛くて動かなかった時頭はずっと働いてぐるぐるしていた。
でもどっかでは夢っていう気持ちもあったけど、玄関を開けたら事実って事になってしまう。
玄関の前で気づいたら日が暮れているくらい経っていた。
私は意を決して扉に手を掛ける。
「ただいま。」
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