仲間を間違えた商人フェルナンドと隠された帝国の秘密

宙道123

第1話 商人を目指す理由

俺の名前はフェルナンド・リベルゴ。

村長の次男として生まれた。

小さい頃から俺は商売に興味があり、店の経理や屋台の手伝いをしていた。

そんなことをしてきたのには理由がある。

それは大商人になるのが夢だからなのだ。

この国には産業がないから誇りに思えない。

隣国から引っ越してきた友達がいつも自国の自慢ばかりしてきた。



50mも超える建物が揃い、電気というエネルギーで線路を動く電車があるだの現実にあるのかと疑うことを言っていた。

だが私のいるこの国は馬車しか見かけない田舎だ。

見たいのだ、彼の言った​​ 夜になっても明かりの消えない街を!そんな事を長い間心の中でずっと思っていた。



  14歳になった俺は店の用事で隣国に行く機会ができたのだ。

 目指すは隣国レナシータ共和国。

 店の馬車で出発して一週間レナシータの首都シタナへついた。

 なんと活気溢れる街だろうか!街並みは友達が言った以上にすごかった。

 自動された信号、見たこともないファッション、巨大商店街。

  彼の言った電車はあった物のそれより、驚いたのは山の​ような​大きさの巨大の物体が飛んでいた。


「店長、あれ何ですか?」

「あれは飛行船って言って空飛ぶ乗り物だ」


 あの飛行船の迫力は今でも夢に出てくるほど感動した。

 そんなこんな街を観光した後、目的の商会本社向かった。

 



案内され社員と交渉が始まった。


「はるばるここまで来てくださってありがとうございます。例の魔石は見つかりましたでしょうか。」

「かなり苦労しました、国内でもなかなか出回らない品なので。」


  そう言ってスーツケースから取り出したのは頭2つ分もある巨大魔石だ。

  数が出回らないのもそのはず、僕の母国であるルラン魔法王国でも国の管理に置かれるほどの貴重な品だからだ。

  なんで店長が持っているか気になって聞いてみた。

「どこで手に入れたんですか?店長」

「鉱山で働く友達さ、こっそり交渉したんだよ」


「ついにだ!この魔法石でやっと研究が進む。これがなければ実験を中止するか迷っていたほどなんですよ」


こんな工業技術が進んだレナシータ共和国がなぜ魔石を欲しがるのか、疑問に思い聞いた。

機密事項だから詳細には答えられない、だが新型の動力装置を作るためらしい。

聞けば大体の原動力は魔法石らしい。

エネルギーを取り出すのはやり方さえ分かっていれば一般人でも可能だ。



 あの飛行船を作ったのもこの会社らしいから空飛ぶ物を作るのかな?やはりスケールが違う。

 ここで僕は少し不安に思った、こんな工業大国が攻めてきたらあっけなく滅ばされるのではないかと。



国に帰る際に店長に聞いた。

「レナシータが攻めて来たら僕らの国は対抗できるかな?」

「フェルナンド、いい質問するね。確かにレナシータは世界最大級の工業国家である。

 でもな僕らのルラン魔法王国も負けないものがある。それは魔法の技術だ。

結界魔法なんか隕石が来ても跳ね返すほど頑丈なんだ。

めてきても結界を破壊できる技術がないから意味がない。

攻めれるもんならせめて見ろって話さ笑」


店長は大げさだなと思ったが言われてみればそうだな。

一度だけ見たことあるが巨大な隕石が隣街の結界に落ちたがびくともしなかったのだ。

僕は母国に誇りを取り戻し1日は終わった。

俺はその後も商人になるための知識を積み重ね続けた。

月日が経ち俺は16歳になった、ついに計画を実行する。



貯めたお金で馬車を買い、商業ギルドへ登録。

需要や大イベントなどの情報が無ければ始めれない。

そのつぎに行ったのは冒険者ギルドだ。

冒険者ギルドへ行くのは始めてで緊張している。

商人ギルドと違って、建物は大理石で作られ迫力のある石像もたっている。

恐る恐る入った。

しかし予想とは裏腹に中は明るく木材使用した外装であった。


「いらっしゃいませ、どう言った用件ですか?」

「登録をしたいのですが…」

「登録でしたらこちらの紙に契約する必要があります。」


ギルドのお姉さんは登録の紙を出して説明を始めた。

契約書は一部を除いて商人ギルドと変わらない物だった。

その一部というのは命の扱いだ。

クエストの際に死亡しても一切の責任は取らないとか、依頼を引き受けた後、人権がないとかなんとか。

モンスター狩りするわけでもないから関係ない。

手続きはおわってついでにと思い、自分の能力を測れる水晶玉で測ることにした。

一般数値が100である僕の結果は。


魔素量100

戦闘能力123

防御力96

体力93


普通だね。

ちなみに剣士は戦闘力が1200以上とか行く。

魔法使いとかは魔素が3000以上だ。

それは置いておいてここにきた理由は別にある。

それは護衛だ。

商人の基本、道は一人で行かない。

行かないというより行けないが正しい、大体この国の山に一つの山賊がいるのだ。

隣町にたどり着く際にまでに山を10は通る。

護衛を着けない商人は彼らにとって机のうえに 出されたチキンのようなものだ。

護衛をつけなければ移動ができない。

だからおれはその護衛を雇うためにきた。


「護衛の募集を会いたいのですができますか?」

と聞いた。

ギルドのお姉さんは頭を横に降った。


「今は、冒険者の皆様はs級モンスター討伐に駆り出されているのです」


実行初日で計画は摘んだ。

冒険者がいない!

そしたら町を出ることすらできないじゃないか。

落ち着けいフェルナンド、1日遅れたとこで問題はない。


「店員さん、冒険者たちはいつぐらいに帰りますか?」

「一週間はかかるでしょうね」

…おれは凍りついた。


えっどうしよう輸送依頼ができず罰金貸されるやん。

俺は絶望した。


ドアから足音がした。


バタン。


ドアを開ける冒険者。

振り向くとそこには赤の装備を纏う美しい女性剣士が登場した。

装備を見ればただ物ではない感が半端ではなかった。

ぜひ仲間に入れたいほどだったのだが。

私はつい店員さんに「あの人を雇えないでしょうか?」といった。


「構いませんが、本当に良いですか?」と心配される。



「え?」


私は夢を見ているのだろうか?堂々と強者感あふれる登場した彼女が、はなじを出しながら地面で気絶している…。


「彼女はドジすぎてどのパーティーにも入れてもらえず、困っているらしいですよ。」


「もう5日もろくな物食べてない」


さっきの俺が恥ずかしくなった。隠れ穴があればそこに入りたいくらいだ。


店員さんが良い提案してきた。

「ドジとはいえ装備もいいし、一応剣士なので​​​​​​​​​​山賊​​を寄せ付けない程度は活躍すると思いますよ」


取り敢えず剣士を店で奢ることにした。


「美味しい」と豪華に食べている彼女はルナ・リベラ・グルナー。


なんで5日間、なんも食べてないか聞くと、これまでの経緯を話し出した。


最初は順調でどこのパーティーでも欲しがる最強剣士だったのだが、酒癖がついちゃってクエストどころでは無くなっていたらしい。


見捨てられた後パーティーを転々としたものの、同じミスを繰り返し、ついにどこも入れてくれなくなったらしい。かわいそうに


話を聞いて正直雇うのをやめようか迷った。


役に立たなくとも装備だけは一流だから、魔除けぐらいにはなるだろう。


今まで貰った報酬はどうしたのかと聞くと、ワインに全て使ったとか。

金なさすぎていま大屋に取り押さえられてるとか。

どのくらいのワインを抑えられてるかというと300本らしい…。


酒場より多いじゃないか。


80年ものなどもあるからから、少なくとも大金貨10枚(100万)はくだらないだろう。


「それを売ればすぐ取り返せるのになぜ売らなかった?」

「売ったらもう手に入らないじゃん」


こいつ救えないや。



まーいろいろ話して衣食住の代わりに護衛についてもらうことになった。


節約できてよかった。とその時は思った....。


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