「ボクは将来絶対、絶対にF1レーサーになるんだ」

 彼は恍惚とした表情で言った。


「そのために、ドライビングテクニックを磨いているところ。まだ年齢的に車の免許が取れないからね」

「……年齢以前にクリアしなくてはいけない問題がありそうだけど」

「え? 今、何か言いましたか?」

「あ、いや、ひとり言」


 そう、大人たるべきもの、少年の夢は温かく見守るべきなのだ。

 黙って気づかないふりをするのが大人の態度なのかどうかは、ここでは保留したい。


 夢のための努力の過程で、人は皆(彼は動物だけど)たとえ結果的に叶わぬ夢であったとしても、未来に向けての新しい糧を見つけていく。

 そういう意味で、夢を見つけ、追いかけることには深い意義がある。

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