第18話 得た情報と次の一手
ホテルの会場からの帰り道。夜風が冷たく、群馬の街並みは静まり返っている。香織、涼介、芹沢の3人は、近くのカフェに立ち寄り、持ち帰ったデータを確認する準備をしていた。薄暗い店内にはほとんど客がおらず、彼らのテーブルにだけ緊張感が漂っている。
「さっきの会場、何とかバレずに済んだけど……心臓に悪すぎるぞ、あれ。」
涼介が席に座るなり溜息混じりに言った。
「でも、無事にデータを確保できたんだから、成功よ。」
香織はカバンから小型のノートパソコンを取り出し、芹沢から受け取ったUSBを差し込む。
「これで本当に核心に近づけるのか?」
涼介が少し不安げに芹沢を見た。
芹沢は冷静な表情で頷いた。
「今回のデータが正しければ、K商会の密輸ルートや資金洗浄の実態が見えるはずです。そして、それを公開することで彼らの活動を止められる可能性が高い。」
「公開って……その前に俺たちが消されないことを祈りたいけどな。」
涼介が冗談めかして笑うが、その顔には不安の色が見える。
「それも考慮して動く必要があるわ。」
香織が真剣な表情で答えると、ノートパソコンの画面にデータの一覧が表示された。
画面には大量の取引記録が表示されていた。コンテナ番号、出荷元と宛先、そして商品の説明が羅列されている。香織はその中から特に目を引く項目を見つけた。
「これ……“美術品”として登録されている取引。神戸から門司港を経由して、さらに国外に出荷されているわね。」
涼介が画面を覗き込む。
「でもさ、それだけじゃ普通の輸出入にしか見えないぞ?」
「それが巧妙なところよ。ここを見て。」
香織が指差したのは取引金額の欄だった。記録されている金額は商品の説明とまったく釣り合わないほど高額だった。
「……おいおい、この額、どんな絵画だよ。世界一の名画でもこんな値段じゃないぞ?」
涼介が驚きの声を上げる。
「そうね。これはただの美術品じゃない。中身が密輸品であることを隠すための偽装よ。」
香織がそう断言すると、芹沢が画面の別の項目に目を止めた。
「ここに、輸送に関与している企業のリストがありますね。K商会以外にも複数の名前が挙がっています。」
「ってことは、K商会は単独で動いてるわけじゃないのか。」
涼介が眉をひそめる。
「ええ。むしろ、彼らはこのネットワークの一部に過ぎない。これを明らかにすることで、組織全体を追い詰められるかもしれないわ。」
香織の声には決意が込められていた。
「じゃあ、次はどう動く?」
涼介が腕を組みながら尋ねた。
「まず、このリストに載っている企業の中で、特に関与が深そうな場所を特定する必要があるわ。」
香織は画面を操作しながら答えた。
「ただし、リストに載っている全てを調査するのは現実的ではありません。」
芹沢が慎重に付け加える。
「優先順位をつけて動くべきでしょう。特に、ここに挙がっている“橘貿易”という企業は、かなり怪しい動きをしているように見えます。」
「橘貿易……。なんか大きそうな名前だけど、そんな会社が本当に密輸に関与してるのか?」
涼介が首をかしげる。
「表向きは大手の貿易会社だけど、裏では違法取引を隠れ蓑にしている可能性があるわ。」
香織が画面を指差す。
「なら、そこに直接乗り込むのか?」
涼介が少し興奮気味に尋ねると、芹沢が静かに首を振った。
「それは危険すぎます。まずは橘貿易の動きを慎重に調べ、彼らの違法活動を裏付ける証拠を掴む必要があります。」
次の選択肢
1.橘貿易の動きを密かに監視し、内部情報を掴む
•外部から監視し、リスクを抑えつつ、さらなる証拠を集める。
2.橘貿易の従業員に接触し、内部の情報を直接引き出す
•従業員を探り、密輸に関する証言や内部情報を得るリスクの高い方法。
涼介の不安と意気込み
「どっちにしても、また危険なことになりそうだな……。」
涼介が肩を落としながら呟く。
「でも、ここまで来たら最後までやるしかない。香織、俺たちの役割は?」
彼が香織に真剣な眼差しを向ける。
香織は静かに涼介の肩に手を置き、微笑みながら言った。
「涼介、あなたがいるからここまで来られたのよ。あなたは私たちの目と耳になって、周囲を見張って。私は直接動く。」
「……わかったよ。俺、もう腹くくったから。」
涼介は深呼吸をして、決意を固めたようだった。
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作者から読者へのメッセージ
K商会の背後に見え隠れする大手貿易会社。香織たちは核心に迫りつつありますが、その分リスクも高まっています。次の一手をどう動くべきか――慎重に、あるいは大胆に。
読者の皆さん、香織たちの進むべき道を選んでください!次回も緊迫感あふれる展開をお楽しみに!
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