第7話 管理記録に残る影
神戸港湾管理事務所。港湾全体の運行状況や貨物情報が一手に集まる場所だ。香織と涼介は、薄暗い廊下を歩きながら、目的の部屋に向かっていた。
「なんか、役所ってだけで空気が重たいよな。ここで本当に密輸の手がかりが見つかるのか?」
涼介がぼそりと呟く。
「見つけるのよ。管理記録に全てが書かれているわけじゃないけど、痕跡がないわけでもない。こういうのは、調べ方次第で真実が見えるものよ。」
香織が自信を持って答えると、涼介は軽く肩をすくめた。
「そりゃ、探偵先生がそう言うなら頑張るけどさ。でも、管理記録なんて簡単に見せてもらえるもんかね?」
「それも私たちの仕事の一つよ。行くわよ。」
管理事務所の受付で話を通した香織たちは、管理担当者の一人である村上という中年男性と面会することになった。小さな応接室に通され、少し落ち着かない様子の村上が資料を手に現れる。
「探偵さんだって?港湾管理の記録を調べたいって、何のためですか?」
村上は訝しげな目で香織たちを見た。
「ある事件を調査しているんです。その中で、港で行われた貨物の輸送について確認したいことがありまして。」
香織が名刺を渡しながら丁寧に説明する。
「港の貨物輸送記録は一般公開されていませんし、外部の方に見せることは難しいですよ。」
「もちろん、私たちも規則を無視しているわけではありません。ただ、松浦由美という女性が関わった貨物について確認したいんです。彼女の名前が記載されたリストがこちらにあると聞きました。」
香織は冷静に言葉を続けた。
村上はその名前に反応し、一瞬だけ視線を泳がせた。
「……松浦由美、ですか。」
「ご存じなんですね?」
涼介が間髪入れずに問いかけると、村上は小さく溜息をついた。
「いや、名前だけは耳にしたことがある程度です。ただ、何か問題があるなら警察に相談した方が――」
「警察ではなく、私たちに協力していただけませんか?」
香織の真剣な目に押されたのか、村上は少し考え込んだ後、立ち上がった。
「……少しだけお待ちください。確認できる範囲で探してきます。」
15分ほど待った後、村上がいくつかの資料を持って戻ってきた。
「こちらが直近の貨物輸送記録です。松浦由美さんの名前が書かれたものがあるかどうか、ご自身で確認してください。ただし、複製や写真撮影は禁止です。」
香織と涼介はすぐに記録に目を通し始めた。
「これ……!」
香織が指差したのは、「神戸港→門司港」行きの貨物リスト。その中には「松浦由美」の名前が担当者として記載されていた。
「見つけたな。でも、これだけだとただの輸送記録だよな?」
涼介が首をかしげる。
「いえ、問題はこっちよ。」
香織が指差したのは、貨物の中身を示す欄だった。そこには「美術品」と書かれていたが、その詳細は一切記載がない。さらに、輸送量が異様に多いことも目につく。
「これ……普通じゃないよな。」
涼介が呟く。
「美術品にしては数量が多すぎるし、記載内容が曖昧すぎる。これが密輸のカモフラージュだとしたら?」
香織がそう言った瞬間、村上が顔を曇らせた。
「……私たちはただ、記録を保管しているだけです。中身がどうこうなんて、私たちが知る立場にありません。」
「では、この輸送を依頼した企業や荷主について教えていただけますか?」
村上は一瞬躊躇したが、最終的に「K商会」の名前を口にした。
事務所を後にした二人は、歩きながら話を続けていた。
「K商会が本当に密輸の中心にいる可能性が高くなったな。」
涼介が自信ありげに言う。
「ええ。問題は、その中身と関係者よ。美術品を隠れ蓑にして何を運んでいたのか、それを誰が管理しているのか。」
「港湾管理記録にこれだけ情報が残ってるってことは、かなり大きな規模の取引だろうな。」
「そして松浦由美がそれに関与していた理由も知る必要があるわ。」
涼介は軽くため息をついた後、苦笑しながら言った。
「ここまで来たら、次は誰を追えばいいんだ?K商会を直撃するのか、それとも取引先を探るのか……。」
香織は考え込むように足を止めた。
「どの選択肢を取るにしても、ここからが本番ね。」
選択肢
1.K商会を直撃する
•直接K商会の拠点を訪問し、会社の動きや関係者に接触する。
2.貨物の取引先を調査する
•記録に載っていた取引先を追い、密輸品の流れを掴む。
3.松浦由美の関与をさらに掘り下げる
•彼女が密輸に関わった経緯や理由を調べ、密輸組織との接点を探る。
応援コメント依頼
投票締切:明日7時まで!
応援コメントに選択肢番号と理由を記載してください!番号だけでも大歓迎です!
例:
•1番:K商会が中心なら、そこを直接叩くのが早い!
•2番:取引先を追えば、密輸品の行き先が分かりそう!
•3番:松浦由美の背景を掘ることで、事件の全貌が見えるかも!
「あなたの選択が次の展開を決めます!」
読者メッセージ
管理記録から浮かび上がったK商会の影と、美術品の輸送という謎の隠れ蓑。松浦由美はこの取引にどう関わっていたのか?
あなたの推理と選択が、香織と涼介を次の手に導きます!
真実に近づくための一手を、ぜひ選んでください!
「あなたの選択が物語を動かす――次回もお楽しみに!」
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