第2話 地元の足跡

門司港の雨は止み、路面に反射する薄い陽光が、街を柔らかく照らしていた。三田村香織は助手の藤田涼介とともに、松浦由美の自宅へと向かっていた。カフェ「リトロ」で得た「神戸」という言葉が頭を離れないものの、香織はまず地元での情報を固めるべきだと判断した。


「結局、地元を掘ることにしたんだな。」

隣を歩く涼介が、少し肩をすぼめながら香織に声をかけた。


「当然よ。この町で彼女がどんな人間だったのかを知らないまま、神戸に行ったところで意味がないわ。」


「まぁ、確かにな。でもさ、松浦由美って特別目立つ存在じゃなかったんだろ?こういうタイプが消えたって、結局ただの家出なんじゃないかって思う人もいるんじゃない?」


香織は一瞬立ち止まり、涼介に真っ直ぐな視線を向けた。

「涼介、失踪事件に“ただの”なんてものはないわ。それが家出であれ、犯罪であれ、その裏には必ず何かしらの理由がある。その理由が人間の本質を映し出すのよ。」


涼介は苦笑しながら手を挙げた。

「はいはい、探偵先生のご講義、よくわかりました。」


「真面目にやりなさい。」

香織は少しだけ笑いながら歩き出した。


松浦由美の家は、駅から少し離れた住宅街の一角にあった。こぢんまりとした一軒家で、外から見る限り手入れが行き届いている。しかし、窓越しに見える薄暗い部屋には、人の気配は感じられなかった。


「なんか、意外と整然としてるよな。もっと荒れた感じを想像してたけど。」

涼介が家を見上げながら言った。


「それが逆に違和感を覚えさせるのよ。生活感があるのに、何かが足りない……。」


大家に連絡して得た鍵を使い、二人は中に入った。玄関には女性物の靴が揃えられ、リビングのテーブルにはまだ飲みかけのペットボトルが置かれている。


「本当に急にいなくなったって感じだな。こういうのって、部屋がそのまま凍りついたみたいで不気味だよ。」

涼介がリビングを見回しながら呟く。


香織は部屋の隅々まで目を走らせた後、棚の上に置かれたメモ帳を見つけた。中をめくると、何ページかが引きちぎられていることに気づく。


「引きちぎられてる……誰かが持ち去ったのかしら?」


涼介が横から覗き込む。

「でも、手帳があるのに捨てたりはしないよな。何か特別なことが書いてあったのかも。」


香織はメモ帳をバッグにしまい、さらに調べを続けた。キッチンの棚を開けた瞬間、奥から一枚の写真が滑り落ちてきた。


涼介がそれを拾い上げる。

「これ……神戸の夜景じゃないか?」


写真には松浦由美が写っていた。だが、隣にいる誰かの顔が切り取られている。


「相手を隠すために切った……これはただの写真じゃないわね。」


「この相手が、松浦由美の失踪に関係してるってことか?」


香織は写真をじっと見つめながら考え込んだ。


「可能性は高いけど、まだ断定はできないわ。ただ、神戸で何かがあったのは間違いない……。」


調査を続ける中、涼介がベッドサイドに置かれた箱を見つけた。中には松浦が書いたと思われる手紙の束がある。そのうちの一通を香織が読み上げる。


「すべてが終わったら、また話せる日が来ると思う。だけど、それまでは私を信じて。」


「“すべてが終わったら”……彼女は何かを抱えていたみたいね。」


涼介は腕を組み、少し不安げな表情を浮かべる。

「……これって、トラブルから逃げようとしてたのか、それとも覚悟の上で動いてたのか……?」


「どちらにしても、この部屋にあるのは断片だけ。次は、周囲の人間に聞き込みをしないと。」


選択肢

1.松浦由美の親友に話を聞く

•松浦の内面を知るため、親しい友人に彼女の行動や気持ちについて尋ねる。

2.松浦由美の隣人に聞き込みを行う

•日常の様子を把握するため、彼女の周囲の住民に目撃証言を求める。

3.手紙に記されていた人物を特定する

•手紙に関する調査を優先し、松浦が信頼していた相手を特定する。


応援コメント依頼


投票締切:明日7時まで!

応援コメントに選択肢番号と理由を記載してください!番号だけでも大歓迎です!


例:

•1番:親友なら、彼女の本音や悩みを知っているはず!

•2番:日常の行動が一番重要だと思う!隣人から目撃情報を集めるべき!

•3番:手紙に書かれた“信頼”の相手が鍵を握っているはず!


「あなたの選択が物語を動かします!」


読者メッセージ


門司港の静かな生活の裏に、松浦由美が隠していた“真実”とは?

彼女の周囲に隠された手がかりが、次の展開を左右します。


読者のあなたが選ぶ選択肢が、香織と涼介の調査を進める鍵となります!次回、さらなる謎と新たな手がかりが明らかに――。


「真実を見抜くのは、あなたの推理です!」

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