第9話 制服がTシャツの世界にしてみた

 たまに磔にされる世界は十分に満足した。

 そこで別の数学を求めて世界を改変することにした。

 Tシャツのような薄着には人を引き付ける魔性の魅力がある。

 ということで今回はTシャツの世界にする。


「女子小学生女子中学生女子高生女子大生の制服が半袖Tシャツの世界になれー!!!」


 もちろん寒くないように季節も変える。


「今日だけこの付近一帯の最高気温が30度になれー!!!」


 これで最高のTシャツが堪能できるはずだ。

 まずは透明になって大学に向かった。


***


「うひょー!!最高!!!」


 Tシャツの学生がたくさん歩いていた。

 自分の眼力(めじから)をもってすれば、中のふくらみをすけて見るぐらいできる。

 とにかく幸せだった。

 最初の目標を達成したので、次は学食のカレーを食べているTシャツの大学生を観察することだ。

 食堂に移動し、カレーの食券を買う子を待った。

 そしてカレーを買った子の横に座った。


「辛いけど美味しい~」


「満足...」


 汗でTシャツが肌に張り付いて体の方程式が出ていて最高だった。

 カレーのおかげで全体的に赤くなっていてそれも良かった。

 これはまさしく国宝である。

 次の目標はTシャツで楽器を演奏する理系女子の観察だ。

 理系女子はたまらなく良い。なぜ良いのかの理由はない。

 やはり賢い子が将来の奥さんに...いや馬鹿な子でも良い...もちろん普通でも問題ない。

 リズムに乗って体を揺らしながら音楽を演奏する子もたまらない。

 理系に進んだ軽音部の子はもはや神様である。


シャンシャンシャンシャン


「眼福眼福...」


 ベースを弾く子は凄く良い。

 ドラムの子も叩くと方程式が揺れてたまらない。

 ボーカルの子も一生懸命に歌う姿がとても良い。

 1時間ほどTシャツバンドを観察した。

 そして次の目標は購買にパンを買いに来る高校生だ。


***


 高校の購買ゾーンに移動した。

 購買ではたくさんのTシャツ生徒がパンを購入していた。

 お金を売店の人に渡す時に手を伸ばすが、それがまたたまらなく良い。

 そしてTシャツの隙間から見える方程式は良い。

 ちょびっとつま先立ちになってお金を渡す姿はまさに最高だ。


「かみ...さま...」


 のびのび方程式チラ見せ高校生を崇め奉った。

 購買でパンを買う女の子を堪能した。

 次は図書室で本を読む黒髪Tシャツメガネ高校生を堪能する。

 本は女性を美しく見せる。

 本をめくる手の動き。

 本を見る視線の動き。

 長時間座った後の伸び。

 何かに集中する姿はとても美しい。

 本の匂いはとても良い香水だ。


「かみ...さま...」


 本を読む女子高生を崇め奉った。

 次は数学の授業で答えを黒板に書くTシャツ女子高生を堪能しに行く。

 黒板消しを使って発生したチョークの粉が服について、それをはたく姿は最高である。

 しかも今はTシャツである。

 なかなか落ちないチョークを何回もはたく姿が確認できた。


「いいねー」


 身長が低い子が背伸びして上の方に書く姿もたまらない。

 背伸びした時に制服やTシャツの隙間から見える脇は底知れぬ魅力がある。

 授業中に昼寝をする女子も最高に良い。

 ほへーって感じの無防備な顔で寝てたりするとイタズラしたくなる。

 次は中学生の体育の授業を見学に行く。


***


 やはり中学生と小学生の光る場面は体育だ。

 体育が得意な女子はとても素敵だし、苦手な女子でもばてている姿はとても可愛い。

 今回の体育の内容は跳び箱のようだ。


「ふへへ...」


 跳び箱を跳ぶ前の準備運動はたまらない。

 頑張って伸びをする女子中学生はとても可愛い。

 跳び箱を跳ぶ時のポーズはとても数学である。

 そこで世界を一時停止して眺めることにした。

 女子中学生が跳び箱を跳ぶ瞬間に合わせて...


「自分以外の時間よ止まれ!!!」


 自分以外が動きを止めた。

 足を開いて空中で静止している女子中学生を心ゆくまで見学した。

 なにより跳び箱を跳ぶのは気持ち良いので、気持ちよさそうにしている顔がたまらない。

 跳び箱は実質数学行為である。


「コードレスドライヤーよ現れろ!!!」


 瞬きをすると手の上にドライヤーが現れた。

 そしてドライヤーの風を弱設定にして飛んでいる子に当てた。


「くっ...たまらないな...」


 跳び箱を跳ぶ子を堪能した。

 次は跳び箱の上にジャンプしてぺたっと座る女子中学生を見学する。

 跳び箱を跳べる子もいいが、跳び箱を跳べない運動音痴な子も良い。

 人間とは不完全な生き物である。

 全てのことが完璧にできる子はいない。

 跳び箱を跳べないのも可愛い個性である。

 自分は全ての個性を愛している。

 女子中学生が跳び箱を跳ぶのに失敗する瞬間に合わせて...


「自分以外の時間よ止まれ!!!」


 跳び箱の上にぺたっと乗った瞬間に時間を止めた。

 跳ぶのに失敗して服の端がぶわっと少し浮いているのがとてもたまらない。

 その隙間に最弱に設定したドライヤーで風を送る。

 もちろん時間を止めているので、ドライヤーと自分以外は全く動かない。

 やはり跳び箱を失敗する子に酷いことはできないのでドライヤーの風は最弱設定にする。

 ダメな子は優しくして甘やかして、もっとダメにしてあげたい。

 次は小学生高学年の子の国語の授業を見学する。


***


 小学生の国語の授業にやってきた。

 思春期の始まりは小学生高学年からと言われており、えちえちなことに興味を持ち始めるのがこの頃からの人もいるだろう。

 今回は音読の時にちょっとした世界改変を行う。

 今回は蜘蛛の糸の『蜘蛛』の文字が『あれ』という文字に見えるように改変する。

 まずは好みの小学校高学年の子を探す。

 自分は周りより高身長の子が好きである。

 国語の授業をしているクラスの中で一番好みの子を見つけ出した。


「この子は『蜘蛛』という文字が『あれ』に見えるようになれー!!!そしてクラスの皆はこの子の『あれ』という言葉が『蜘蛛』に聞こえるようになれー!!!」


 この子が音読に選ばれないと意味が無いので追加で改変する。


「先生はこの子に蜘蛛の糸の音読を任せたくなるー!!!」


 これで準備は完璧だ。

 そして運命の瞬間は訪れた。


「あれの糸をそっと御手に御取りになって...あれの糸にからみながら...細く光っているあれの糸を...」


「かみ...さま...」


 その場で変態朗読女子小学生を崇め奉った。


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