目
カエデ
目
失明するのと聴覚を失うのどっちがいいか。そんな質問を誰しも一度はされたことがあるだろう。
まぁそんなもの私には無縁なことだが。
私は音楽を聴くのが好きだ。楽器を聞くのも歌詞を聞くのもそのどれもが私にその景色を想像させる。楽器をどのように叩いているのか、どんな形でどんな色なのか、歌の中の子はどんな顔をしているのか、どんな風に歌っているのか、そのどれもを想像する。それが私が唯一見ることが出来る瞬間だった。だがそんな生活もこの包帯を取れば終わるのだろう。私は徐に目に巻かれた包帯を取る。目を開けると私は初めて世界を見た。それと同時にいつも聞いているあの曲が頭に流れてきた。その時私は初めて曲を見た。
目 カエデ @kaede000108
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます