私だけが案内されたの?
天川裕司
私だけが案内されたの?
タイトル:私だけが案内されたの?
ある日、友達4人組で
どっかへ遊びに行こうってなった。
船橋君と、横田君と、エリカと私の4人で、
横田君とエリカは先に目的地へ行き、
私と船橋君は一緒に
その目的地まで向かうことになった。
まぁ私と船橋君の住んでる家は近かったから
落ち合って目的地へ行くのは
自然の流れな感じになった。
(電話)
「船橋君、もう着いた?」
船橋「ああ、着いてるよ♪ゆっくり来て良いよ」
「ごめんね、すぐ行くから〜」
なんて感じで約束した場所へ。
(公園)
「ごっめ〜ん!」
それから10分ぐらいして
私は船橋君と落ち合って、
それから横田君とエリカが
先に向かった目的地まで。
もう前もって何度も連絡していたから
行きしなに横田君とエリカに電話することもなく、
私と船橋君はただひたすら目的地へ急いだ。
でも実は私、今回初めて行く場所だから
行き方がまだよく分かってなかった。
船橋君は前に行ったことがあったようで、
行き道をちゃんと
知ってくれていたのもあり助かった。
船橋「あ、そのバスじゃないよ。こっち♪」
危うく違うバスに乗りかけた私を
船橋君は優しくエスコート。
「船橋君が居てくれてホント助かったわ♪」
それからずんずんずんずんバスは走り、
都内を出て、やがて目的地のある郊外へ。
そして目的地の最寄り駅に着いたようで、
ちょっと眠ってた私を船橋君は起こしてくれ、
2人で一緒にバスを降りた。
「あ、そうそう、確か早田駅だったよね」
前もってバス停の名前は知ってたから
無事にここまで来れて喜んでいた。
ここから山道を登って行くと小さな三叉路に出て、
その道を右に曲がれば
ちょっと有名なレジャースポットに到着。
そこでいちど横田君と
エリカに電話しようとしたんだけど
エリカはずっと呼び出し音、
横田君にはつながらなかったので
「まぁイイか」
としてとりあえず坂道を上って行った。
船橋「大丈夫?疲れてない?」
「大丈夫大丈夫♪早く行こ♪ 2人が待ってる」
そして三叉路を右に折れて
ずっと真っ直ぐ登って行くと小さな広場に出た。
「え?ここだったっけ?合ってるのかなぁ?」
着いて見るとまだ2人は来てなかった。
「おかしいなぁ、もう到着してる筈なんだけど?」
私たちは2時間遅れで来てたから
2人はもう到着してる筈。
「ねぇ、船橋君?」
と振り返って見たのだが船橋君は居なかった。
「?」と思っていると電話が。
横田「お前どこ行ってんだよ?ずっと待ってんだぞ」
エリカ「もう近くまで来てんの?」
「え??」
少し驚きの連続だ。
てっきり目的地がここだと思って来たのに…
船橋君が案内してくれてここまで来たのに。
目的地が違っていた?
これが数日前のことで、
あとから真相を知って驚いた。
驚いたと言うより恐怖だ。
船橋君はあの日、来てなかった。
約束の日から数日前に、
私が案内されたあの場所で
自らこの世を去っていた。
その場所は、私たちがあらかじめ
目的地にしていたその場所にそっくりな場所。
あれから降りたバス停の名前を確認してみたけど
あの界隈に早田駅という
名前のバス停はどこにも無かった。
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=kgrgDR_2TEU
私だけが案内されたの? 天川裕司 @tenkawayuji
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