第5話 出会いと別れ...?

数キロ離れた南にある大きな町、ストレインジへ向かい数時間後...。

「やっっっっっと着いたぁ...!」

「疲れたぁ...!」

二人とも運動不足のせいか、はたまた運動音痴なのか...。既に疲れているもよう。

ストレインジ。この街は、先程の村より活気溢れており、街並みは綺麗で、凄く、高いんだろうなと感想しか出ないエルド。

街の人々はドレスやらスーツやらを着ており、冒険者のような服を着ている自分達とは段違い。恥ずかしくてトマトになってしまいそうだ。

「取り敢えず、ディニテという武器商人の店を探しますか。」

「そうだね...特徴すら聞いてないけど。」

「...ですね。」

ここで突っ立っていても何も始まらないため、再び歩き始める。とは言っても街を徘徊してみるだけ。

武器商人の店が何処にあるかなんて分からない自分達には歩き回る以外することは無い。

話を聞いてみる手もあるが、怪訝そうな目で見られるのは分かりきっている。

その目が怖い二人は、街の人たちには聞けなかった。

それは、二人の過去にあるからかもしれないが、これはまた別の話...。

「...ねぇ、あれって。」

「ん?」

スペスの指差す方を見ると、小綺麗で如何にも高いですよと言っている雰囲気の"ディニテ"という店。

二人の足はその店の前で止まったが、再び歩き出そうか悩む。

もしかしたら、今の金じゃ出せない金額かもしれない...。そう思うが、ここ以外宛がない為、泣く泣く中へと入る決心をする。

「あ、開けますよ?」

「う、うん...!」

ギィッと扉が引く音を鳴らし、中を覗く。

「こちらの武器はいかがでしょう!小柄な貴方にとってもお似合いですよ!」

「あ、あはは...ありがとうございます...。」

「……。」

店の様子を見て、此処はヤバい、やめておこうと扉を閉じようとするエルドだが、

「あら!また新しいお客様!」

店主であろう人に見つかってしまった。

さぁ、どうするか。

このまま扉を閉めるか、中へ入るか...。

「ちょっと!中入るよ!」

ボソッとエルドに耳打ちするスペス。

仕方ないと、意を決して店の中へと入る。

「こ、こんにちは...。」

愛想笑いを浮かべ、挨拶をする。

その顔と声はぎこちないが、店主は嫌な顔をするどころかもっと顔を明るくする。

寛大な心の持ち主なんだな...と感心する。

「いらっしゃいませ!幸運なお客様!武器ですね!少々お待ちくださいませ!」

「え?あ、ちょっと!」

エルドたちの言葉を聞こうともせず、そそくさと店の奥へと行ってしまった。

どうしたことか、金額の話をしようとしたのに。と思うエルドに、先程店主に詰め寄られていた少年が声をかける。

「あの、貴女方は...?」

「あ、俺はエルド。」

「私はスペス...。」

「僕はソーレ...転生者です。」

「え!?」と本日何度目かの目を見開く二人。

そんな二人を差し置いて言葉を続ける。

「転生先はこの街で、あちこち回っていたら優しいおじさんにこの店のことを教えてもらい、来てみたらあの状況になり...。」

そう言い苦笑するソーレ。

そんなソーレを他所に、仲間が増えたことに喜びと混乱で気持ちがごちゃ混ぜになる。

仲間が増え嬉しいが、こんなに早く見つかってもいいのだろうか...?と思う二人。

「あら?もう仲良くなられたのですか?」

考えていたら、店の奥から店主のディニテが沢山の武器と共に顔を出す。

よくそんな量の武器を持てるなと思うが突っ込むのを押さえる。

「さて」と、ディニテが一つの武器を持ち、スペスへと詰め寄る。

「貴方!そこの華奢なあなた!」

「は、はい?」

「可憐で華奢な貴方にはこの弓なんてどうでしょう!軽くて持ち運びが良く、引く時もなんとまぁ軽くて逆に不安になってしまうそんな弓はどうでしょう!」

なんか雑だなと思うエルドに気づかず、言葉を続ける。

「次にこちらは貴方みたいな小柄な女性にピッタリの短剣!こちらも軽く、振り回しやすい!試しに振ってみます?」

「あ、だ、大丈夫です...。」

勢いに押され、苦笑いになるスペスにソーレは呆れたような目でディニテを見る。

そんなことにも気づかないディニテに不安を覚えるエルド。

店、間違えたな...。

スペスへの武器紹介が終わり、今度はエルドの番となった。

どんなことを言われるかを身構える。

「貴方は...そうですねぇ、あ!この剣なんてどうでしょう!デザインもいいし、なんと言っても、この剣は初代大地の神様が持っていたとされる剣と同じデザインでございます!」

「...は!?」

ディニテの言葉に一同唖然とする。

とんでもないことをサラッと言ったディニテはハテナを浮かべているのか、キョトンとしている。

そんなことよりも、大地の神に初代が居たとは...。それじゃあ、今の神は、何かしらの方法で大地の神になったと言うことか?

デカすぎる情報なため、またもや混乱する。

一方、ディニテは自分のしてしまったことに「あ、やっちゃった☆」という顔をしている。

そんなディニテの顔を見て一同は思った。

この人、有力な情報持ってるな?と。

そんなエルド達の怪訝そうな表情を見て、罰が悪そうな顔をするディニテ。

「ここから先は、パープルボーイを見つけてから大地の神様に聞きなさい!」

「ぱ、パープルボーイ?」

またサラッと有力情報を漏らすディニテにまたもやソーレが呆れたような目を向ける。


一行は各自、気に入った武器を手にする。

ソーレは軽くて丈夫で、矢を無限に出せる弓。

スペスは、ゼンマイの形をした大きめの杖。

エルドは、初代大地の神が使っていたのと似た剣、ロングソード。

武器は全て無料。理由は教えてはくれなかった。

「うんうん!よく似合っていらっしゃる!」

「えへへ、ありがとうございます!」

「まさか、金を取らないとは...。」

一同は心の広いエルフ、ディニテに例を言い、店を後にする。

店を出て考える。

(次はどこへ行けば...!?)

ディニテから地図を貰ったが、どこへ行けばいいとは聞いていなかった。

「待って、今聞いて...あれ?」

「...え!?」

「!?」

踵を返そうと、後ろを振り向いたが、店はなくなっており、もぬけの殻。ただの真っ白な煉瓦の壁へと変化していた。

「どういうことだ?」

「多分、魔法...じゃない?」

困惑するエルドにスペスがそう言う。

魔法なら、辻褄は合う。

だが、もうディニテには会えないのだろうか。

まだ聞きたいことは山ほどあった。

ここから先のことは、全て大地の神に聞けということか...。

「はぁ...行くか。」

「そう、ですね。」

気を取り直し、今度は宛もなくどこかへと向かう。

次に見つけるのはパープルボーイ。

この調子ならすぐ仲間に出来ると思った一行だが、そう簡単には行かなかった。

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