エデンズウォーズ
シャチマくん
第1話「初めてのカードバトル」
俺の名前は黒嶺夜彦。今年から七歳を迎えたことが理由でとある夢を見た。それは七歳になった子供たちが必ず迎えることになる夢で、俺もその夜から人類が伝承して来たカードバトルを始める時が来たのだ。
「やぁ? 知っているとは思うが、ここで自己紹介させてもらうよ。僕の名前は天神王と言う。君も【エデンズウォーズ】を始めるプレイヤーの一人として迎えられた存在だ。つまり、これから話すことは君が目覚めた瞬間に始めるカードバトルのルール説明だ。これは君のカードバトル進出に極めて必要となる話だから良く聞いてくれよ?」
そうやって俺は不思議な夢を見た。それは俺もいつか始めることになると両親から聞いていた話である。それを待ち望んでやっと今夜の夢で見ることが出来た。その説明を受けた人物はカードバトルを始める頃合いを示しており、目覚めた時にはランダムでデッキが握られているパターンが多いらしい。今夜が俺のカードバトル進出だとするなら、これから自分は学校に通いながらそれを極める道を進むのだった。
「まずはルールを説明するよ? デッキは四十枚で構成されている。初めは手札を五枚引いて【ソウルギア】と呼称されるカードをオリジンホールに配置してギアゲージを溜めるんだ。溜まったギアゲージの分だけソルジャーをバトルフィールドに召喚できる。そこで召喚した場合に発生する特殊効果を持つカードはその場で使用するかを選択するんだ。それによって相手との勝敗が大きく分かれるから、これを有効活用してバトルに勝つことを目指していくのがこのゲームの熱中できるポイントだよ? 毎ターンカードを一枚引けるから、ソウルギアをチャージしてソルジャーカードを召喚しよう! 後はソウルギアのもう一つの使い方について説明するぞ」
そんな風に俺は天神王から説明を受ける。それは俺がこれまで知りたかったことの一つで、これから自分が【エデンズウォーズ】をプレイする上で重要な話だった。それが俺のワクワク感を増大させて早くゲームをプレイして見たいと言う気持ちを生じさせる。そしてソウルギアのさらなる使い道をこれから俺は教わることになるのだった。
「ソウルギアは条件を満たすことで使用が可能になるカードだ。これをオリジンホールに置かないで使用した場合は墓地に置かれる。そんなソウルギアの使用回数は決まって一回までが上限となっている。これは何枚でも入れることが出来るが、ソルジャーと組み合わせる必要があるから、四十枚で構成される仕組みを考慮すると、精々十枚が適度だと考えられている。しかし、上限はないから、すべてをソウルギアで組み込むことも出来る。しかし、それでは勝利は確実に望めないから、そこは注意してね? 分かったなら、この後で君が目覚めた頃になってデッキが贈られているはずだ。それで友達とプレイしてみることをお勧めするよ。では、健闘を祈る」
それだけ説明を受けると、俺の前から天神王が消える。そして俺が夢から覚めた時、自分の机には一つのデッキが包み紙で巻かれた状態で置かれていた。それは夢の中でも説明があった通り、俺にもデッキが贈られたことを示しているのだと判断する。それを俺が早速開封してみると、なんと一つの束になったカードがデッキとして自分の手元に届いたみたいだった。つまり、俺はこれからこのデッキを使ってプレイすることを指しているみたいである。
「これが俺の初めてのデッキか? これで俺もウォーリアーとして認められたんだな?」
そのデッキを確認してみると、暗素と紅素で構成されていることが分かる。一番前にあったカードが切り札と呼ばれるのは、事前から両親がプレイしていたところを見たことがあったことが理由ですでに分かっているのだった。
「俺の切り札は【骸骨熱闘鬼ヒートオーガ】と書かれていた。すると、それを手にした瞬間に俺がいた部屋に異空間が広がって、さらに初めて見たカードに書かれたイラストがそのまま目前に具現化される。その瞬間が俺を戸惑わせるが、目の前に現れたソルジャーが人間の言語で話しかけて来た。
「どうやらお前が我の主だな? これからお前は我も契約を交わして一緒に戦ってもらうことになる宿命を背負った人間だ。つまり、これは定まった運命だと言える」
「お前は【骸骨熱闘鬼ヒートオーガ】なんだな? これが噂に聞く契約と言うのか?」
「そう言うことになる。我のようにハイクラスのソルジャーはこうして契約を結ぶ儀式を行うことが義務付けられている。そこでお前の実力を試したい。我と勝負するのだ」
「いきなりかよ! それも勝つ必要があるのか?」
「ルールは知っているはずだ。それに加えた説明は一緒に付属されている電子機器が教えてくれるだろう。それは【情報デバイス】と言って、認識したカードを具現化される。我もそれが作用してやっとお前の前に出られたのだ。それでは早速始めるぞ!」
すると、俺の目の前にはカードを配置する台が現れて、そこにソルジャーを召喚して行くのだと言う。そしてオリジンホールの様子は電子機器で確かめられるのは、両親がプレイしているところを見て知っていた。それを踏まえると、俺のプレイが初めてだったとしても、問題なく進めることが出来るだろう。後は初見でどこまでコンボが決まるのかが鍵を握るのだった。
「では、我が先攻だ」
デッキがあらかじめ勝手に配置された状態を作り出しており、そこから手札が五枚ほど配られる。そして手札に加えたカードはソウルギアが四枚とソルジャーが一枚と言った状態で始まった。
「我はソウルギアをオリジンホールに置いてターンエンドだ」
(まずはソウルギアをチャージするところから始めるんだな? それじゃあ取り敢えずこれをチャージしておこう)
俺は手札のソウルギアがチャージされたことで、ギアゲージが六ポイントも溜まった。しかし、俺の手札にあったのは、コストが七ポイントだったことが理由で召喚が叶わないで終わる。そして対戦相手の【骸骨熱闘鬼ヒートオーガ】がさらにソウルギアのチャージを済ませると、いきなりソルジャーを召喚して来た。
「我は【無名の旅人】を召喚する! これはバトルフィールドに出た時の効果でカードを一枚だけ引くことが出来る! ターンエンドだ」
「俺のターンか? まずはカードを一枚引いてソウルギアをチャージ。そしてコスト七を消費して【熱闘蒸気バトルドール】を召喚するぜ! これはバトル日フィールドに存在することで、毎ターンの始めに引くカードを一枚増やせる! ターンをエンドする」
「ほう? 手札ブーストで来たか? それなら我のターンだ! ソウルギアをチャージする。そして【オーバーフィジカルギフト】を発動! このソウルギアはバトルフィールドにカードが一枚以上あれば使用できる。そして【無名の旅人】のパワーを五千プラスした上で夜彦を攻撃!」
「なっ⁉︎」
俺は直接攻撃されることで、ライフが相手のソルジャーが持つパワーの分だけ減った。さらにターンを終了すると同時に【無名の旅人】を自ら破壊してしまう。
「ソウルギアの効果を受けたソルジャーは破壊される。しかし、七千のダメージを与えることが出来た。さて、これからどんな反撃が来るかな?」
「自分のソルジャーを犠牲にして相手のライフを削ったのか? しかし、次のターンは攻撃が出来ない!」
俺はターンの始めにカードを二枚引くと、そこからソウルギアをチャージする。そしてこちらもソウルギアの条件を満たされたことを確認すると、それを早速今から使った。
「俺は【スカルデッドヒート】を発動! これを扱う時の条件はライフが五千以上のダメージを受けていることだ! 山札の上から三枚を墓地に置く。その中からカードを一枚だけ指定して手札に加える。そしてギアゲージを三ポイントだけ増やせる!」
(これで俺のギアゲージは合計で八ポイントもある。ここからソルジャーを召喚して反撃を開始するぞ!)
「俺は先ほど墓地から手札に加えたソルジャーのコストを消費して召喚! このソルジャーは墓地のカードの枚数分だけコストが一ポイントも軽減できる! これで【骨鬼丸】を五ポイントの消費で召喚だ!」
(これがバトルフィールドに出た時の効果は相手の墓地にあるカードの枚数が二枚以上の場合、手札を一枚だけ選んで破壊する。これで相手の手札が減ったから、召喚の幅も狭くなったはずだ)
「我の手札は残り五枚。しかし、ターンの始めにカードが引けるから、実質は六枚になるのだ! まだ余裕はある!」
そして【骸骨熱闘鬼ヒートオーガ】は前のターンでギアゲージを消費しなかった分だけ余裕が出来ることから、強力なソルジャーを召喚して来る。
「我はコスト十二ポイントの消費で【死骨戦鬼デッドボーン】を召喚する! これは山札の上から三枚を墓地に置いて、好きな枚数のソルジャーを山札に加える。そこで加えたソルジャーの枚数分だけ召喚コストの合計以下を手札からバトルフィールドに出す!」
そこで【骸骨熱闘鬼ヒートオーガ】が召喚したソルジャーはやはり自身だった。自分でもある【骸骨熱闘鬼ヒートオーガ】を召喚して効果が発動する。
「このソルジャーがバトルフィールドに出た時の効果は、相手の墓地にあるカードが三枚以上なら、夜彦の手札を三枚だけ破壊させるぞ! そして我の手札を一枚だけ破壊させることで、自分のバトルフィールドにあるソルジャーを指定したら、そいつで夜彦を直接攻撃する!」
「ぐぁぁぁ⁉︎」
これで俺のライフは残り一万となった。次のターンまでに相手のソルジャーをどうにしかしないと負けてしまう。しかし、そこで俺は次に来たターンでこの戦況を覆した。
「俺のターン! まずは【熱闘蒸気バトルドール】の効果でカードを二枚引ける! さっきのターンで三枚も手札が破壊されたことで、残りは四枚。そして俺はソウルギアをチャージしてから、ここで【死帝骨鬼デッドスカルマン】を召喚! このソルジャーがバトルフィールドに出た時の効果を発動する! 山札の上から十枚を墓地に置く。その後で墓地の枚数よりも低いのコストを持つソルジャーを一体まで手札から無料で召喚できる! 俺が召喚するのは【死帝骨鬼ウルトラスカルマン】だ! このソルジャーはバトルフィールドのスカルオーガがニ枚以上ある場合に発動する! 相手のソルジャーを一枚だけ指定して破壊させる! 俺の指定するソルジャーは【骸骨熱闘鬼ヒートオーガ】だ! さらに【死帝骨鬼デッドスカルマン】でスリープ状態の【死骨戦鬼デッドボーン】を攻撃! 攻撃する時、自分のバトルフィールドにあるスカルオーガの合計パワーの分だけ相手のライフを減らさせる!」
「ぐぁぁぁ⁉︎」
どうやらこの勝敗は決まったようだ。相手のライフは残り二千だけで、後は次のターンに攻撃が決まれば俺の勝ちである。しかし、逆転の余地を残していた場合によると、俺が負けることもあり得ると思われた。
「さすがに我をここまで追い詰めたことは称賛に値する。しかし、これからが本番だ」
すると、そこで対戦相手の【骸骨熱闘鬼ヒートオーガ】がソウルギアをチャージした後で、再び自身が復活できるソルジャーを召喚して来た。それも俺の使ったソルジャーがそのまま召喚されたのである。
「召喚! 主の使った【死帝骨鬼デッドスカルマン】をバトルフィールドへ! このソルジャーの効果によって山札の上から十枚を墓地に置く! そして墓地の枚数以下のコストを持つソルジャーをバトルフィールドに出させる!」
「何っ⁉︎」
すると、再び【骸骨熱闘鬼ヒートオーガ】が墓地から復活した。そして俺の手札が三枚も削られると、その後で【骸骨熱闘鬼ヒートオーガ】が自分の手札を破壊して【死帝骨鬼デッドスカルマン】でトドメを刺す。これで俺の敗北が決まってしまうのだった。
「くそっ! 負けてしまった!」
「我が勝利した。しかし、それでも主と契約を結ぶことは変わらない結果だ。つまり、我の勝利でも契約は施される」
「本当に? それじゃあこれからは一緒に戦うんだね!」
「そうなるな」
そうやって俺の手元には【骸骨熱闘鬼ヒートオーガ】を切り札にしたデッキが入手できた。それも先ほどのデッキはお試し用だったこともあって、実戦経験を積めただけでも良かったと言える。なので、俺はこれからカードバトルの頂点に立てる位置に到達したいと思った。
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