誰かに聞いて欲しいのよ

第1話 ひとりごとをひとりきく

ひとりごとが止まらない。

特にここ数日はテレビに突っ込みを入れてしまう。

いや、テレビに突っ込むことしかすることがない。

「いやいや、ほんまは、そないにビリビリしてへんやろ」

「栄養士と管理栄養士ってちゃうんや」

こんなこと誰がききたいねんというひとり言。

高校のとき同級生が「父親がテレビと会話する。嫌だ。年のせいだ」と言っていた。

わたしはいつの間に彼女の父親と同じ域に達してしまったのだろう

というひとりごとを自ら聞き、自ら慄く。

ふと一週間だれとも会っていないことに気づく。

親からの電話も珍しく無かった。娘の安否は心配でないんやろか。

いや、こちらから親の安否確認をせなあかんやろ。

と自分に突っ込んっで見た。

テレビ以外に突っ込みを入れたのは１週間ぶりだ。

おかあちゃん。

東京は今年一番の寒さで５℃になりました。

そちらはマイナス３℃らしいですね。

お互い健康に気をつけましょう。