第一章

第1話

第一章 mission1: why are you here


「…お前…何故、ここに…。」

口が悪くなりそうなのを抑えながら、目の前の女性に問う。

心を落ち着かせようと深呼吸をする。

冷や汗がこめかみに流れる。

「…私は自分の足でここまで来ました。」

「そう言う事を聞いてるんじゃない。…なんでここに来れたんだ、と言ってるんだ。」

僕の家族を殺しておいて、飄然と来れる事にまず驚いている。

しかもメイド服まで着て。

…一体何があって被害者の家に来れるのだろう。

…謝罪…をするようには見えない。

むしろ、残された僕を殺しに来た、と言われた方がしっくりくる。

絶対嫌だけど。

僕は彼女を殺すまで…絶対に死ねないのだ。

「…そう言う事でしたか。そんなの簡単な事ですよ、おぼっちゃま。」

「…僕はおぼっちゃまじゃない。」

「…では、ご主人様。」

何が言いたいのだろう、この人は。

「…ご主人様でもない。僕は君の何者でもない。」

「…そうですか…。でも、聞いて変わりますよ?」

「…何が。」

聞いて変わるわけが無い。

「…私を殺す訓練をしましょう。」

落ち着いた様子で微笑んだ。

……出会った時と同じ笑顔で。

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2024年12月24日 18:00
2024年12月25日 18:00
2024年12月26日 18:00

冥土様の最後の晩餐 抹茶 餡子 @481762nomA

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