冥土様の最後の晩餐

抹茶 餡子

序章

序章

序章: Good evening, Hell


「…夜分遅くに失礼します。私、夜霧 萃と申します。」

深深と丁寧に頭を下げた目の前の女性は、僕を見て、にっこりと微笑んだ。

普通、女性が笑いかけ、気分を悪くする人はいないだろう。

しかも美人ときた。

この展開にドキドキしない人は果たしているのだろうか。

しかし、僕はそんな事、1mm足りともなかった。

むしろ、驚きと憎悪で今にも彼女を刺しそうな気分だった。

こんな気分あってたまるか!とコメディーでは叫ぶだろう。

だが、ここではそんな事は無い。

あるわけない。

なぜなら…彼女はーー


僕の家族を殺した"殺人鬼"なのだから。

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