第三章 謎の力と再生

 教会内の空気が張り詰め、参列者たちは息をのんで謎の人物の行動を見守っていた。炎は次第に大きくなり、棺の周囲を完全に包み込んでいたが、不思議と何も焼け落ちることはなかった。その炎の中から、タケルがゆっくりと立ち上がる姿が現れた。


 参列者の中には驚きと恐怖で叫ぶ者もいれば、涙を流して喜ぶ者もいた。タケルは自らの体を見下ろし、何が起こったのか理解しようとしていた。


「どうして... 私は...?」


 タケルの声は震えていた。彼の体には銃で撃たれた痕も、死の影もなかった。全てが夢であったかのように、彼は完全に生き返っていた。


 謎の人物は前に進み、タケルの前で静かに語り始めた。


「タケル、君はまだこの世界で必要とされている。悪が未来へと逃れた。我々はそれを止めねばならない。」


 タケルは混乱しながらも、相手の言葉に耳を傾けた。


「未来?私に何ができるんだ?」


「未来へ行く力を与えよう。テロリストたちはサタンの力を借りて時を超えた。君には歴史上の英雄たち、武蔵と小次郎を連れて行ってほしい。彼らと共に未来を救い、平和を取り戻すのだ。」


 この言葉にタケルは驚いたが、同時に彼の心には新たなる決意が生まれていた。彼は立ち上がり、教会に集まった人々に向かって宣言した。


「私は行く。未来を守るため、そしてこの平和を守るために!」


 ロッキーもタケルの足元で鳴き、彼の決意を支えた。参列者たちは涙を拭い、タケルを勇気づける拍手を送った。


 そして、謎の人物はタケルとロッキーを連れ、光に包まれながら教会から消えていった。未来への旅が、今、始まるのだった。

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