カラ梅雨!美津季

〆野々青魚-Shimenono Aouo

*0*

 ワタシは、青い大きな池の淵に腰をかけ、マッタリとした気分で目を閉じた。

 夏の日差しが背中を焼いて、体が少しずつアッタマル。

 池からは少し気に入らないニオイがしているけど、水辺にいるというだけで気分は上々。

 あー、気持ちいい。今日は夕方までここにいようかな?


 のんびりと考えてたとき、「それ」が近づいてきた。

 どぼどぼどぼ

 けたたましい音を立てながら、「それ」は池の水をハシラのようにまきあげている。

(きゃあ!)

 このままでは直撃だ。

 ワタシは、イヤなニオイのする池に飛び込んだ。

(あゝ、これで大丈夫)

 ニオイはちょっとイヤだけど、やっぱり水の中は気持ちいい 

 華麗にひと掻き、ふた掻きした。

 だけど、間もなくワタシは最悪の選択をしてしまったことにキガツイタ。

 急に起こったオオウズ巻き。ワタシを持っていたのは、底の知れない大穴だった。


(やだ! ワタシまだ死にたくない!)

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