第15話

街灯が浮かび上がらせるのは公園のほんの一角に過ぎず、辺りは暗闇に限りなく近い。




目を凝らして慎重に声の主を探してみるけど、




「………」




やっぱりそれらしき形を見付けられない。






足元で公園の細かい砂利が、ザラリと音をたてる。





―――気持ち悪い。





帰ろうと向きを変えるとほぼ同時に、





「おねーさんてば」





また同じ声が―――今度はやたらと近くで聞こえて―――私はまた飛び上がる羽目になった。




振り向いた先にいたその人は俯いていて、顔は見えなかった。男か女かも、すぐには判断できなかった。でも、


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