白雪と造花

鍋谷葵

はじまり

プロローグ

 白む息を吐くあなたは、私に微笑む。

 赤らんだ頬も、照れ隠しのために漏らす笑みも良く似合っている。

 出来ることならあなたの頬を撫でたい。

 出来ることならあなたの唇を指でなぞりたい。

 けれど、それは出来ないこと。

 あなたは私の自由にできる人じゃないから。

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