心の扉

天川裕司

心の扉

タイトル:心の扉


職場で働いていた私たち。

そこは小規模なオフィスで、

いろんな人たちがそこに集まり、

ベンチャー企業のような形で

様々な仕事分野に手を出していた。


でもある時から人間関係がギクシャクなって

唯一、心を許せていた友達・美香は、

会社に来ないようになってしまった。


「ねぇ美香ぁ、そろそろ出てきてよ。私1人じゃ寂しいじゃない…」


美香はもともと内気な子。

この会社はそうゆう人のために

建てられた表向きの看板もあったが、

人が集まれば雰囲気ができ

ムードが仕上がりルールもできて、

やっぱりそれなりに強い人が生き残る。


そうゆう人たちに限って

伝説の10割バッターのように

毎日そこに来るものだから、

弱い人はその存在に押されて負けてしまい

結局来なくなる。

こんな事は日常の至る所で見られるものだ。


「…ねぇ、美香…」

私はそれでも彼女を呼び続けていた。

仕事が終われば毎日美香に電話をし、

何とか出社するようにと促していた。

励ましていた。


するとある日、美香は、

「うん♪明日から行くよ。ずっとそばに居てくれてありがとね」

と私に言ってくれたんだ。


私もどちらかと言えば美香のタイプに近く、

彼女の様な人が一緒に居てくれると心強い。

私はまだかろうじてハミ子には

なって居なかったけど、

それも時間の問題?

そう思えば彼女の存在は本当に有難かった。


でもそのとき美香は、

ちょっとよく解らない事も言ってたんだ。


美香「そうゆう時用に私、ちゃんと自分の避難場所を用意したから♪もう大丈夫♪」


そして美香がまた会社に

来るようになったある日のこと。


美香はまたハミ子のようにされてしまい

挙句、誹謗中傷のような言葉を投げかけられ、

これまでに無い程またシュンとしてしまった。


私は休憩時間、彼女を励まそうと

隣に行った。


「美香、大丈夫?」

「…うん大丈夫。こんな時用の避難場所が私にはあるから♪」


そう言ってスックと立ち上がり、

なんとなく私を連れて

オフィスの中に入って行った。

みんな休憩で誰も居ない。


美香はそのままオフィスの中を歩き、

奥の扉を開けて入って行った。

「…え??」

急なことで少し気づかなかったが、

こんなところに扉は無かったはず。


私もその扉を開けて

向こう側へ行こうとしてみたが、

一切開かず、

そのうち少しだけ輝いて消えてしまった。


「…………何だったのこれ…」


その夜、美香からまた電話があった。

「明日も会社に行くからね♪よろしく」

それだけ言って切れたので、

私はまだ言いたい事があると

美香の携帯に電話してみた。 

が、つながらず、

彼女の家の固定電話にも電話した。


美香「ごめんね〜、携帯の充電切れちゃったから」

「そうだったんだ…こっちこそごめんね」


私はあの扉の事を聞こうとした。

でも美香ははぐらかすばかりで

よくわからなかった。

仕方なく流れで、その夜は電話を切ったんだ。


でも私はその翌日、

当たり前に理解できなかったので少し調べてみた。

すると美香の家には先日不幸があったようで、

美香の両親はそれが理由で引っ越していた。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=pdEzOB0OAn4

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心の扉 天川裕司 @tenkawayuji

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