初仕事

勝利だギューちゃん

第1話

「おーい、リンいるか?」

「はーい」


上司に呼ばれる。

私はサンタ。

といってもまだ見習い。


なので、仕事はもっぱらトナカイの世話。


「なんですか?社長」

「人間界の会社じゃないんだから」


赤福にしろい髭を蓄えたおじいさん。

この人がサンタのお偉いさん。


「今年から君にもサンタとして働いてもらうことになった」

「本当ですか?」

「ああ」


私は、喜んだ。

これで世界中を旅行出来る」


「遊びじゃないんだぞ」

「わかってます」


でも、嬉しい。


「ルドルフ来い」

一頭のサンタがやってきた。


「頼むぞ、ルドルフ」

社長は、ルドルフをなでる。


「あのう、ほかのトナカイは?」

「こいつだけだよ」

「でも、通常は7頭で、彼女〈ルドルフ〉は、いざと言う時の・・・」

「配達先は、一か所だ。彼女で十分」


まあ、初仕事だから仕方ないか。


「で、配達先は?」

「日本のここだ」


あっ、寒いわりに雪は少ないところか。


「で、プレゼントは?」

「リン、お前じゃよ」

「ワンスモア?」

「だから、お前さん自身がプレゼントじゃ」


私は固まった」


「まさか、その相手は彼女のいない思春期の男子じゃないよね?

ありきたりの・・・」

「ビンゴ」


ビンゴって・・・


「とにかく行ってこい。でないと・・・」

「わかりましたよ」


私は仕方なく向かった。

でも、これが私にとっても、最高の贈り物を得た。

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初仕事 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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