第29話 起きないな…

俺が目を覚ますと、窓の外はすっかり赤く染まり、そろそろ日が落ちそうだった。

ん…なんか足に重みを感じる…

そう思い、足へと目をやるとそこにはアシリアとサヤカが俺の足に突っ伏して仲良く寝てるではありませんか。

俺が2人をじっと眺めているとアシリアが目を覚ました。

「あ…アイゼルさん?起きたんですね」

アシリアは眠そうな目を擦りながら起き上がり軽く伸びをしてからサヤカを起こそうとした。

「起きろーサヤカ、朝だぞー」

反応がないな…俺とアシリアは続けて声をかけ続けるがなんの反応もない…

「サヤカ起きてください!サヤカの夢の白馬に乗った王子様がきましたよ!」

サヤカってそんな夢があったのか。以外とロマンチストだな。


「ダメですね…」

あれから5分ほどサヤカを起こそうとあれこれしてみたが起きる気配が微塵もない。今でも俺の足に突っ伏して気持ちよさそうに寝息を立てている。

「そろそろ足が痺れてきたな…」

俺はもうサヤカを起こすのは諦め、いっそのこと静かに寝かせてあげようと思った。俺はサヤカが起きないように慎重に足をどかした。俺もアシリアと同じように軽く伸びをした。

「アシリア、お腹すいたし2人で何か食べに行かないか?」

俺がそう言うとアシリアは小さく首を縦に振った。その後、俺もアシリアも一度部屋に戻って身支度を始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る