矜羯羅ガール。〜私とエッチしたくない?〜

猫野 尻尾

第1話:UFOなんて昭和レトロじゃん。

タイトルの矜羯羅ガール(こんがらがーる)は、縺れるとかややこしくなるの

"こんがらがる"に引っ掛けているのです、え?分かっとるわいって?失礼しました。


でもって大幅に内容変わってます。



俺は思春期真っ盛りの高校生。

名前は「今丈 頑張郎いまだけ がんばろう」17歳。

都心からかなり外れた団地のマンションで両親と俺の三人暮らし。


唯一の悩みは俺の周りには女の匂いがしないこと。

彼女がいない歴長いから当然のように彼女が欲しい。

性春真っ只中のいち男子として普通の願望、欲求。


高校に入学してから、とりあえずクラスの女子手当たり次第に告ったけど、

ことごとく撃沈。

フラれた理由は・・・スケベそう・・・軽そう、付き合っても浮気しそう

空気読めなさそう、頭悪そう、変態っぽそう、って散々。

そこまで言われたらちょっと落ち込む。


俺のこと何にも知らないくせにクラスの女子は適当なこと言いやがって。

当たってるのもあるけどな・・・。


めっちゃつまんねえ。


学校からの帰り、俺は河川敷の土手に座って中学生のサッカー少年たち

を見ながら愚痴っていた。


そしたら上空から一機のUFOが降りてきた。

未知との遭遇とかじゃなくて衝撃的出現とかもなくて、なんか故障してん

のかフラフラ揺れながら降りて来た。


「UFO?・・・わ〜UFOなんて昭和レトロじゃん」

「未だにアダムスキー型のUFOになんか乗ってる異性人いるんだ」


そう思って見てたら、そのUFO俺の5メートル先くらいに降りた。


俺はどんなやつが出てくるのかと思って、しばらく見てると、その

UFOから異星人らしき?・・・異性人にしては人間っぽいのが降りてきた。

不気味なグレーみたいなやつかと思ったら違ってた。


こっちから見る限り人間のおネエちゃんと変わんないビジュアル。

髪はピンク色のロング、顔はチャーミング、キュートで可愛いし、スタイル

抜群、モデルみたいな異性人じゃん

しかもマイクロビキニだし・・・へんなメタリックの全身タイツとか着てない

のがいいよな。


だけどな〜異性人になんか手を出したら、どうなるか分かったもんじゃ

ないからな。


「ヤッホ〜私がUFOが降りて来たからってビビッちゃダメだよ」


そのネエちゃんは俺に向かってそう言った。


「え?俺に言ってる?」


「そう、あなた・・・上空飛んでたら河川敷にアホ面した男子が土手にへこ

座ってたから降りて来ちゃった」


「アホ面で悪かったな」


「あなた私見て驚かないんだ?」


「ねんで?今時、UFOだの異性人だのって珍しくないし・・・そこらじゅう

に歩いてるよ・・・」


俺が説明してると異性人ギャルはなんにも警戒すらしないで俺の横に座った。


「近くで見たら案外イケメンだね・・・私、近眼だからね、そばに来ないと

よく見えないの」


「うん・・・かなり近いね」

「メガネかコンタクトつけたほうがよかないか?」

「そんなに俺に寄ったらさ、俺がちょっと顔を前に出したらキスできちゃいそう」


「してもいいよ、キス」


「・・・ま、まじで?」

「いやいや・・・やめとく」


異性人ギャルとなんかチューしてウイルスでも移されたらやっかいだからな。

って思ってたら異性人ギャルちゃんが俺にハグして来た。


「お〜っとなにしてんの?」


「勘違いしないでね、キスしないって言うからハグね・・・これってただの

挨拶代わりだから・・・社交辞令ね」


「そう言う挨拶なら何度でもいいけど・・・」


つうかめちゃいい匂いする異性人ギャル・・・。


「でさ、君って何の目的で地球に、俺のところに降りてきたの?」


「それはね、まずはこの星の男子から誘惑してメロメロにして腑抜けになった

ところで地球を乗っ取っちゃおうって計画なの・・・」


「へ〜そんな重要な計画、簡単にベラベラしゃべちゃっていいの?」


「あなたが聞くからでしょ?・・・でもいいの、どうせあなたは私に腑抜けに

されてヤリ殺されちゃうんだから」


「ヤリ殺すって?それどう言う意味?」


「私とエッチしながら気持ちよくなってるスキに、あなたは私に精気をぜ〜んぶ

吸い取られて死んじゃうの・・・いい死に方よね、気持ちよくなったままあの世に

行けちゃうんだから・・・」


「おお、それは望むところだけど、俺、そのくらいじゃ死なないから・・・」


「なんで?」


「俺さ、中学生の時イブの夜に舞い降りてきた天使とエッチしちゃってるのよ・・・でね、その子から聞いたんだけど天使とエッチした人間は不老不死になるんだって」


「だから俺、死なないの」


つづく。


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