森でエルフに拾われて家まで連れ帰られました ~ちなみに僕は元敵国の王子です~
みんち
第1話 いつもの朝
辺境の村へリティアに今日も早めの朝が来る。そして1番最初に起きるのがお人好しで有名なリイオだ。起きるとまず病弱な母と幼い弟の今日の着替えを枕元にそっと置く。そして家を出て庭や村中の草木や花の手入れをする。森の手前で食べれる茸を拾い「朝食は何にしようかなー」と17歳の男の子とは思えない可愛い独り言を言う。
こうしてリイオが茸とりから帰ってくるのを皮切りに村の朝がなんとなーく始まるのだった。
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「まて~!」「あっはははは!」昼、親たちがせっせと働く間、子供たちは村中を駆け回る。毎日冒険ごっこか鬼ごっこをしているから、もしかしたら子供たちは他の大人よりも村のことを知っているかもしれない。周りの森も、それに光の森の近くも。
光の森には入ってはいけないと村の大人たちにいい聞かせられている。「凶暴なエルフがお前たちを頭から喰ってしまうよ」と。大半の子供たちは何も知らない良い子に育ってきたが好奇心は好奇心だ。
鬼ごっこをする足を止めて顔を見合わせアイコンタクトをすると光の森に一直線に走っていった。もうすぐで光の森に入ってしまう、という所で「ストーップ!!!」と誰かがか弱い女の子のような、いや逞しい腕は男の子なのだろう長い腕が子供たちを抱き止めた。
「もう!光の森には入っちゃダメって言われてるでしょ!!」厳しくも優しく叱る声は。「リイオごめんなさぁい…」しおしおとなった子供たちが上目遣いで涙目になりながらその名前を口にする。子供の上目遣いに弱いリイオは「こ、これに懲りたら光の森になんて入っちゃダメだよ?」と優しく頭を撫でながら念を押した。
こうして今日も平和な1日がへリティアに訪れるのであった。
森でエルフに拾われて家まで連れ帰られました ~ちなみに僕は元敵国の王子です~ みんち @minthi
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