卒業近いし好きな女に告ろうとしたら猿にされたが?
雪染衛門
卒業近いし好きな女に告ろうとしたら猿にされたが?
入学式の一目惚れから
今日、俺は
十八でついに
ワンチャンある……!
「興奮してる、マシラ?」
幼なじみの
両手を前に広げてみる。いつから俺は
「なんでだよ」
――俺は
「急でごめんだけど、マシラなら
モモは学ランをぎゅっと
「
「だって強行しなきゃ信じないっしょ」
「恐ろしい
そもそもどうやって俺は猿に?
飯も喉を通らん昼休み。迫りくる約束の屋上。一世一代の大勝負に腹が鳴ったら
それな。
「一度食べたら、
「そのシモっぽい響きなんとかならね?」
「でも変身できるのは一日三回まで!」
聞いちゃいない。
「で、一日三回俺を猿にして何すんの?」
「……鬼退治」
いるいるいる、すでにモモの後ろになんかいる!
「避けろ!」
言うが早いか身体が勝手に動いてた。
「ありがとうマシラ、まじ助かった」
モモが無傷なのは何よりだ。
「
さすがに痛すんぎ、骨折れたんじゃね。と泣き言を押し殺して皮肉ってみる。
充満する
「はー。なんか血足りねえ。イラつく」
振り上げられた金棒は、俺を待ってくれそうにない。
「こちとら
怒りと共に振り下ろされる鋭利な音。恐らく俺の爪が
化物の顔面を引っ掻き回す。身体が躍るように軽い。視界が黒い。
「マシラ、戻って!」
モモの言葉で我に返る。
は、いまのマジで俺? 悪魔かよ。
刹那、俺のショックごとぶった
気付けば俺は
「ちと待て。感情が
「そ、
こうして
「んで鬼ヶ島ってどこ?」
「え、何それ
まだ何も知らんけど。
卒業近いし好きな女に告ろうとしたら猿にされたが? 雪染衛門 @yukizomemon
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