月夜の事

天川裕司

月夜の事

タイトル:月夜の事


俺はある夜、ひき逃げを目撃した。

「あ、警察ですか!?」

その場ですぐ警察に通報。

救急車も呼んでおいた。


その日は満月で明るく、

車のナンバーが判ったんだ。


でもそれからすぐして、

都内で見知らぬ男性が自らこの世を去ったと言う。


俺は妻帯者だったが、それから数年後、

妻は事故に遭ってしまい他界。


いろんな事が一気に起きたので、俺は絶望の淵。

でもその絶望から救ってくれた人が居た。


(後日)


愛美「あなた、お弁当は持った?」

「ああ、ありがとう♪ちゃんと持ったよ。お前は料理が上手いから助かるよ♪」


俺は再婚していた。

彼女の名前は愛美(まなみ)。


提携先の会社で知り合い、

落ち込んでいた俺をずっと慰めてくれ、

なんとなく恋中のようになり

気づくと結婚を前提に付き合っていた。


彼女は独身で、性格も良く、気品があった。

そして何よりも優しかったんだ。


俺はその優しさに打たれ、

寂しかった心の傷を何かで埋めようと

していたところでもあったから、

その優しさと愛情が光のように感じ、

彼女を愛した。


(自宅)


でも俺たちが結婚して少しした時。

警察がウチにやってきた。


「ちょ、ちょっと何ですか!」


警察1「木崎愛美さんの旦那さんですね?」


「木崎…」彼女の旧姓だ。


警察2「指紋が取れました。一致しています」


愛美は逮捕された。


俺の元妻は少し郊外の交差点で

自動車にはねられて亡くなった。


その自動車はすぐ

廃棄処分に回されていたらしいけど、

警察がそれに気づき、

寸前のところで廃棄処分は免れた。


その車の中から、愛美の指紋が出てきたらしい。

愛美は念のために整形し顔を変えていたらしく、

妻を車で轢いたあと、俺に近づいていた。


俺があの夜、ひき逃げ事件を通報した直後、

都内で亡くなった男性は愛美の夫だったと言う。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=WfBqoJRcdhg

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月夜の事 天川裕司 @tenkawayuji

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