ギャルの神話、民話、民間伝承、その他様々なギャル事象に関する走り書き
たこわさふりかけ
ギャル神話の始まり
はじめに、原初のギャルがいた。
原初のギャルは全てのギャルと同一の存在であると同時に、一人の原初のギャルとして存在していた。
ギャル宇宙はさざ波一つない凪いだ海の如き静寂を保っていたのだが、仲間と遊ぶのが大好きな性質を生来持っているギャルがそのような静寂に耐えられるはずもなく、また元来ギャルは寂しがり屋でもあるので、原初のギャルは内包していた全を——無数のギャルを——無であった宇宙に解き放った。
これが世に言うギャルビックバンである。
ドワォ! という信じられないくらいに宇宙的な爆発音と共にそこから飛び出してきたのは白ギャルと黒ギャルであった。
続けてDJギャルがやって来た。
DJギャルは「モノクロじゃ寂し過ぎるっしょ!」と言うとまだ空と大地とが別れていない始まりの土地にDJブースを設置し、重低音を効かせたアップテンポな音楽を流し始めた。その瞬間、どこからともなく猛烈な輝きを放つミラーボールが出現し、宇宙に光を放った。これが太陽の起源である。
またその時、音楽と光に引かれてパリピギャルたちも続々と姿を現した。
パリピギャルたちは「ミラーボール一個じゃ全然足りないっしょ。笑」と笑い、ミラーボールの光を反射する物体を置いた。これが月の起源である。
こうしてミラーボールが反射した光が宇宙を照らし始めた。これが宇宙にあまねく存在する星々の起源である。
ダンスを始める場が整い、ノッてきたDJギャルは激しく音楽をかき鳴らし始めた。
完璧なチューンで流れる完璧なクラブミュージック。
パリピギャルたちは踊り狂った。
それは猛烈なダンスだった。
スニーカー、ブーツ、ハイヒール、サンダル……。
無数の靴が、足が、まだ空と大地とが別れていなかった始まりの土地を地平の果てまで踏みつけた。
とてつもない衝撃により、始まりの土地はどんどん丸みを帯びていった。そして、徐々に空と大地とが離れて行き、いつしか二つが完全に離れた頃、四方八方から踏みつけられたことにより始まりの土地は球形になっていた。我々の住む地球はこうして生まれた。
更にこの時パリピギャルの中の一人が「躍りっぱなしだと疲れね?」と言って地球を回し始めた。昼と夜はこうして始まったわけだが、昼と夜で規則正しく生活しているギャルは極一部であり、殆どは朝から晩まで遊び回っている。これもまたギャルの特性の一つである。
そして更に「気温が同じだとオシャレ出来なくね?」と言い出した者がおり、春夏秋冬という四季がギャルたちのファッションセンスを遺憾無く発揮する為に生み出された。誰だって遊ぶ時は他者と異なるオシャレを楽しみたいのであり、様々な服装を試してみたいというギャルのファッションセンスを考えればこうなることは必然であった。
地球という星はこうしてギャルたちのパーティー会場として整えられていった。そして場が整った後も、無数のギャルたちがパーティーを続けている。
故に現在の地球で起こる様々な不可思議な現象は全てパリピなギャルたちの仕業であるので、人々は何が起こっても「ギャルだからしゃーない」と思い、微笑むのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます