実力至上主義の学園で最強を包み隠さず生活します

カニ様

一期

鬼ごっこ

第1話 学園入学【1】

 この世界には能力がある。



説明するのはかなり難しい…まぁ簡単に言えば

魔法みたいなもんだ。


でも、能力があるって言っても色んな種類が

あるんだ…まぁ。



【バフ】 【防御】 【攻撃】 【特異】



簡単に分けると大体この4つに分かれる。



【バフ】

・仲間や自分に有難い効果を付与する系


【防御】

・そのまんま攻撃とか事象を防御する系


【攻撃】

・相手に攻撃する…まぁそのまんまだな


【特異】

・上3つに当てはまらない系だな




_______雑すぎる。





そして…俺は起きた。


「懐かしい夢だ…」そんな言葉を零しながら。





4月…桜が最も美しく舞うこの季節に俺は…


【実力至上主義の学園に入学した】



学園の門の先に進み…俺の頭の中には一つの

想いが巡っていた。



___ここが師匠の。


だが、その先の想いを遮るように一つの声が

学園全体に響いた。



「新入生諸君、入学おめでとう!」


その一言が学園全体に響き渡り…そして声の主が続けて言った。



「早速で悪いが寮に送る、酔いやすい者は

 目を瞑っておけ!」


その瞬間…目の前に広がっていた景色が歪み

そして…言い表せない様な空間に様変わり

してしまった。


数秒間…その空間を移動している様な感覚が

続き、そして気付くと俺はとある部屋にいた。



!?どうなってる…俺はさっきまで学園の中庭にいた筈…。

これも能力なのか…。


そう思考を頭の中で巡らせているとこの部屋に

もう1人…見知らぬ人物が急に現れた。



身長は約160いかない程の小柄…髪を後ろで

結んでいる、所謂ポニーテールだ。

流石にここまで見れば分かる…。


こいつは女子だ。



…何でベットが2つあるのか疑問だったが、

一部屋2人で…しかももう1人が女子だとは…。


1人が良かったな…それに男ならまだ良かった

んだけどな…。


まぁ…色々考えてももう仕方ない。


そう思考を落ち着かせて俺は目の前にいる女子に話しかけた。



「おい、もう目開けていいぞ。ここは寮だ。」


そんな俺の言葉を信じて女子はすぐさま目を

開いた。



「あ、え?…誰?え…うーん。誰!?」


ここから面倒だった…目の前にいる女子が錯乱して…挙げ句の果てに少し暴れ始め…。


止めるのに少々手こずった。


実力はある…流石にこの学園に入学しただけはある…でも面倒くさい奴だ。




_______数分後。



「落ち着いたか…?」


「す、すいません…。」


「落ち着いたんならいい…とにかく、俺達は

 同じ部屋で暮らす事になった。俺も女子と

 同じ部屋なのは少し嫌だが…お互い我慢

 するしかないみたいだ。」


「分かりました…。」



…気まずいな。初対面なのもあるが…ここまで気まずくなるとは…。

人との関わりも学ぶべきだったか。


俺がそんな思考を頭の中で巡らせていると…

目の前の女子が口を開いた。



「あの…自己紹介しませんか?これから同じ

 部屋で生活するんですし…ね?」


「それもそうだな…。じゃあ俺から。」


そして…俺は一拍を置いてその言葉を紡いだ。




二階堂雷華にかいどうらいか、これが俺の名前だ。これから

 よろしく頼む。」


「よろしくお願いします!じゃあ次は私…。」


そして、目の前の女子は息を整えて言った。




柊渚ひいらぎなぎさです!これから頑張りましょう!」


「あぁ、よろしくな柊…?」


「渚でいいですよ!雷華君!」


「君は付けなくていい。」


「すいません、癖なんです。」


「まぁ…好きに呼べばいい。」



少し会話が弾み始めた?その瞬間、再度…学園全体に先程の声が響いた。



「はーい、これから一緒に生活するお友達との挨拶は済んだかな?まぁ済んだ前提でいくよ?

今から…」


次の瞬間その一つの事実が俺達に告げられた。




【鬼ごっこを始める!】



…は???


















 

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