第14話

暫く里穂の携帯を見ているとブーッというバイブ音と共にディスプレイに着信中の文字が表示された。


おやおや。お早い反応だ事。



「…もしもし?」




電話の向こうからは甲高い男の声が響いて、思わず携帯を耳から離した。



――うるせえなこいつ。



「代々木駅までおいでよ。里穂、俺の家にいるから」



片方の耳の穴に人指し指を突っ込みながらそう言うと相手の話に耳を傾けずに通話を終了させた。





後は中田俊文の到着を待つだけ。

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