略奪

第12話

―――――



チュンチュン....



夜明けを知らせる、鳥の鳴き声。



カーテンの隙間から眩しい光が射し込んでいた。


「ん~…………?」



―――ガバッ


俺はハッとして布団から飛び起き、里穂に手を伸ばした。



まだ隣で寝息をたてて眠っている里穂を見て、ホッと胸を撫で下ろす。



…そうだったな。

昔からコイツはよく寝る女だった。

どんだけ寝るんだよって位…。


思い出してみると、可笑しくて笑いが込み上げてくる。



普通、レイプなんかされてスヤスヤ眠る女なんてなかなかいねーぞ…。

警戒心が無いのは昔からだったか。



そう考えながらも俺は今日最初の煙草に火をつけて、天井を仰視した。




一晩、里穂を取り返す方法を考えていた。



方法は一つしかなかった。



あいつ……あいつから奪ってしまえばいい。


中田俊文。

…お前からな。

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