略奪
第12話
―――――
チュンチュン....
夜明けを知らせる、鳥の鳴き声。
カーテンの隙間から眩しい光が射し込んでいた。
「ん~…………?」
―――ガバッ
俺はハッとして布団から飛び起き、里穂に手を伸ばした。
まだ隣で寝息をたてて眠っている里穂を見て、ホッと胸を撫で下ろす。
…そうだったな。
昔からコイツはよく寝る女だった。
どんだけ寝るんだよって位…。
思い出してみると、可笑しくて笑いが込み上げてくる。
普通、レイプなんかされてスヤスヤ眠る女なんてなかなかいねーぞ…。
警戒心が無いのは昔からだったか。
そう考えながらも俺は今日最初の煙草に火をつけて、天井を仰視した。
一晩、里穂を取り返す方法を考えていた。
方法は一つしかなかった。
あいつ……あいつから奪ってしまえばいい。
中田俊文。
…お前からな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます