ウチには絶対神と女帝がいました。
うさぎは誇り高き戦闘民族
第1話 終わってた結婚。―①
ウチの父は絶対神だった。絶対神は田舎の某老舗旅館を取り仕切っていた彼の祖母に溺愛されて育った。祖母の養子養女だった彼の両親は、義母の秘蔵っ子である父に対し、厳しく出られなかったようだ。旅館稼業が左前になり、失意の中で死んだ祖母亡きあとも、絶対神はその父母、弟妹に君臨し続けた。
「俺は特別だ!」
「俺は『する』んじゃない!『してやっている』んだ!」
「俺の言うことを聞け!」
「俺に逆らうこと、俺より秀でることは許せん!」
絶対神はその信念を強固にし、姿形だけ大人になった。
母は女帝だった。他者に対する思いやり、共感という感情が先天的に欠けていたとしか言いようがない性格だった。自分より劣る――と思い込んだ――他者に、聞くに堪えない暴言を吐き、自分の両親を金を出す機械のように扱った。
「アテクシが絶対正しいの!」
「アテクシのどこが間違ってるの!」
「お金よこしなさいよ!もっと!」
女帝もまたこの信念だけを抱き、姿形だけ大人になった。
ひょんなことから、絶対神と女帝が見合いをした。更に不幸なことに、それは交際に発展した。……はあ〜あ……。書いててため息でるわコレ。
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