第5話初配信後、事務所にて
「ここに来るのは2回目だけど、まだ初めて来た時と同じくらい緊張する……」
初配信が終わった次の日、私は今後の活動などの話をするために事務所に来ている。マネージャーさんからは「一週間以内ならいつでも大丈夫ですよ‼︎なんならリモートでも全然平気なので‼︎」と言われたけど、仕事を辞めてから毎日時間があるし、早いほうがいいと思ったので次の日にした。何にもやることがないって辛いんだよ……
事務所の前で感傷に浸っていると、中からマネージャーさんが迎えに来てくれた。
「綾乃さん〜‼︎初配信お疲れ様でした‼︎」
「あ、ありがとうございます……まだまだ実感がないですけど…」
Re:Live!にはライバー1人にマネージャーが1人つくことになっているらしく、私にも専属のマネージャーさんがいる。私の専属マネージャーさんである楠木真冬さんは、私より2つ年上のRe:Live!の中で一番若いマネージャーさんだ。元気があるイケメン美女だから会うたびに緊張してしまう……
綾乃という呼び方は、外でライバー名を呼ぶわけにはいかないとのことで、下の名前で呼ばれている。
ちなみに私の本名は月宮綾乃です。
「これから活動を続けていくうちにきっと実感がわいてきますよ!あ、そういえば綾乃さんのために美味しそうな紅茶とお菓子を買ってきたんですよ‼︎よければ、お茶しながらこれからの活動について話しませんか?」
「あ、はい…!いただきます…!」
圧倒的陽キャの力で押されている……仕方ないじゃん!そもそも陰キャ寄りの人間に陽キャは効果抜群なんだよ‼︎紅茶とお菓子なんておしゃれなことしたことないよ!私はいつも麦茶飲みながらカントリーマ○ムじゃぁぁぁぁ!!
と、心の中で十分叫んだところで楠木さんの後に続いて事務所の中に入って行った。
「今日はここの席で話しましょうか」
「はい!……やっぱり綺麗な事務所ですね〜。私の元の職場もこんな感じだったらよかったのに」
「あはは…」
そうして私たちは窓の近くのテーブル席に座った。カフェみたいな雰囲気の席だからかな?事務所に入る前の緊張はだいぶなくなっていた。
楠木さんが淹れてくれた紅茶と買ってきてくれたお菓子を楽しみながら、今後の活動予定を話し始めた。
「この紅茶とお菓子すっごく美味しいです…‼︎こんなに美味しい紅茶初めて飲んだかも!」
「そこまで褒めてられると流石に少し照れます……こほんっ、ではこれからの配信予定とかを立てて行きましょうか!まず次の配信なんですけど、綾乃さんは何の配信がしたいとかありますか?」
「うーん、ゲーム配信をしようと思ってるんですけど、どんなゲームをしようか悩んでます」
「初配信後なんですから好きなゲームとか得意なゲームがいいと思いますよ。綾乃さんってどんなゲームが好きなんですか?」
私自身ゲームが好きでもめちゃくちゃ下手なんだよね……唯一ちゃんと出来るゲームど○森くらいなんだよなぁ……
「得意なゲームはど○ぶつの森とか1人でやるほのぼのゲームですね。あと、大体のゲームは好きですよ」
「なるほど……」
「あ、いいこと思いついた‼︎楠木さんおすすめゲーム教えてください!」
「……えぇ!?わ、私あんまりゲームやったことないですよ‼︎せいぜい一期生の方々の配信を見たくらいしか……あ、一期生が前配信してた面白そうなゲームが……」
「それをやります‼︎」
「まだ言い終えてなかったんですけど……じゃあそのゲームを配信でやるってことで!明日ゲームのダウンロードページ送っておきますね‼︎」
「ありがとうございます‼︎」
その後お茶しながら雑談をしていたらあっという間に時間が過ぎていた。
「今日はわざわざ事務所まで来てもらってありがとうございました‼︎これから綾乃さんが楽しく配信できるように全力でサポートしますね!」
「こちらこそ今日は美味しい紅茶やお菓子をありがとうございました!楠木さんのサポートがあれば百人力ですね」
「そ、そうですかね……?あ、あと、私のことは楠木じゃなくて真冬って呼んでもらえませんか?」
「ぇ?」
「や、無理だったら全然大丈夫なんですけど!ただ真冬の方が嬉しいな…って…思ったんですけど……」
そう言って不安そうにこっちを見てくる楠木さん。
まじ可愛すぎるんですけど私のマネージャーさん。急に元気なイケメン美女のそんな姿見せないでくださいよ。あまりの可愛さに危うく鼻血が出るところだった……
「全然大丈夫ですよ、真冬さん」
「やったぁ!ありがとうございます綾乃さん‼︎……って、綾乃さん⁉︎鼻血出てますよ⁉︎」
「すみません、尊さが溢れ出ました」
「意味わからないですよ!と、とりあえずティッシュで押さえてください‼︎」
その後10分くらい鼻を押さえてから大丈夫なことを確認して帰路についた。
私のマネージャーさんの可愛さは世界一!!!!!
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