心の迷子

 やっぱりこのままつっきーと付き合っちゃうのもあり…なんじゃないかなぁ…。

 

 だって、ポップコーン食べるとき一瞬マスク下げるんだけど、横顔とかめっちゃ菜々似なんだよね。

 

 

 でもさ…それって失礼だよね。

 

 

 菜々と付き合えないからって…菜々似の、つっきーと付き合うとかさ…。

 

 そうだよね!

 

 そもそも友達になりましょうって言われただけだし、誰も付き合う前提なんて言っておりませんでしたね。

 

 

 我にかえりましたとも。

 

 てことで、オレはつっきーと友達としてゲームしたり、ショッピングしたりしていた。

 

 

 …

 

 で…

 

 菜々とは、たまに遊ぶ程度だったんだけど…

 

 

 でもさ、なんか二股してるような…なんか複雑な感じがしたんですよね。

 

 

 りょうてにはなてきな…

 

 

 オレってば、もってもて〜なんて菜々の前で鼻の下伸ばしていたんです。

 

 

 それを菜々は、キモいと思ったんでしょうね。

 

「つっきーさんとは、どうなの?付き合い出したら教えてね!」

 と、いきなり突き放されてしまいました。

 

 

 早く付き合いなと言わんばかり…

 

 

 お湯風呂にいきなりたくさんの氷をドボドボと入れられた気持ちです。

 

 

 寒い…冷たい…

 

 心は青くなり、パリパリと砕かれそうです。

 

 

 糸がたくさん連なったホッソい飴で、オレの心はできているのかもしれない…。

 

 

 握ったら、一瞬でボロボロの粉々ですってば‼︎

 

 

「菜々は、オレにまったく恋心抱いてないんだ?」

「うん」

 

 

 あっさり返してくるんですよねー。

 

「そういや、菜々って…好きな人とかいたりしないの?」

 

「うーん…どうかな」

 

 

 …

 

 いるんだ…ね。

 

 だからオレなんか相手にされないのか。

 

 

 まぁ…仕方ないよね。

 

 

 菜々とは同じ学校だけど、基本的には学校ではそれぞれ友達がいて、そこまで一緒にいたりしない。

 

 

 …でもさ。

 

 

 なんか最近…学校にいると菜々がよくオレのところにやってくるんだよね。

 

 

 で、やたらとつっきーのことを聞いてくる…ってか、めっちゃつっきーをごり押ししてくるんだよね。

 

 

 なんなら恋愛が楽しくなる漫画とか、おすすめされるし…。

 

 

 んー…

 

 菜々は、いったい何がしたいのでしょうかね?

 

 

 友達の羽柴はしばくんにきいてみたんよ。

 

 

 そしたら、それはヤキモチなんじゃね⁉︎うらやま〜って言われてさ。

 

 あー、そういうことかぁ♡なんて一瞬思ったけど…

 

 

 だとしたら、オレのこと何回もフラなくない⁉︎

 

 

 …

 

 わからん。

 

 菜々がわからん…。

 

 

 オレの心もぶっちゃけ…菜々を好きなのかそれともつっきーを好きなのかすら曖昧だ。

 

 

 マグロかと思って食べたら、マグロみたいなお菓子だったくらい脳みそが混乱しております。

 

 

 どうしたら良いのでしょうか⁇

 

 

 

 菜々は、学校以外はあまりうちに来なくて…学校でしか顔を合わせない。

 

 

 つっきーは、友達少ないから学校から帰ると、オレに暇なときゲームしよ〜って誘ってくるんだよね。

 

 そして、よく休みの日は遊ぶんだけど…

 

 最近つっきーって、ボディタッチが多いんだ。

 

 んもぅ〜って言いながら、肩トンとか、ねぇねぇって言いながらペタペタしてきたりね…。

 

 

 もしかして…やっぱり…つっきーって、オレのこと好きなんじゃね⁉︎

 

 あんなにかわいいのに…なぜオレなのだろうか?

 

 

 告白されたわけじゃないけど、なんとなく好意があるんじゃないかな〜ってのが伝わる。

 

 

 

 もし…もしも告白されたら、オレはどうするのだろう。

 

 つっきーのマスク外して、あつ〜いキスとかかましちゃうのかなぁ⁇

 

 あー、オレって幸せものじゃ〜ん♡って妄想を膨らませ、つっきーとゲームしたりするのでありました。

 

 

 でもさ、そんなある日…ついにそのときがやってきてしまった。

 

 

 つっきーがオレに大事な話があるから、今度の休みにあいたいって。

 

 

 キター‼︎

 

 これはついに告白なんじゃなかろうかぁ⁉︎

 

 

 テンションが上がりつつ…でも、少し暗い影が心に現れた。

 

 

 あの心の少しのモヤモヤは…いったい…

 

 オレはどうしたっていうんだ?

 

 菜々には、フラれているし…ヤキモチかと思ったら、そうじゃないっぽいし…。

 

 菜々よりも、つっきーのほうがオレは幸せになれるはずなのに…。

 

 実らない恋よりも実る恋を選ぶのが妥当だろう。

 

 なのに…なのになぜオレは…少し憂鬱なのだろうか…。

 

 

 まぁ、まだ告白じゃないかもしれないから…だからあんまり考えないようにしようと、無理矢理落ち着かせて、つっきーの元へと向かうのでありました。

 

 

 続く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

幼馴染に告白して連敗したオレが次に好きになったのは… 猫の集会 @2066-

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ