気になるあの人
1
あれから2日後、
なんか・・・思い出すと色々と恥ずかしくて、俊也に連絡が出来ないでいた。
あの日・・・涼君の事を聞きたくて俊也に逢いに行ったつもりだったのに・・・。
私は自宅のリビングのソファーで頭を抱えた。
俊也は・・・きっと私をからかっただけ。
ただ・・・Hがしたかっただけ。
きっと・・・・そう・・・・・。
じゃぁ涼君は???
涼君は・・・私にキスをして・・・・涼君が居る場所は・・・こういう事をする場所だと言った。
こういう事・・・・って・・・・。
キスしたり・・・抱き合ったり。
私は慌ててあの日涼君に貰った名刺を出し・・・・。
「あ・・・・」
オフィスの電話番号と・・・会社用の携帯なのかな??・・・・。
番号が・・・・。
書いてある。
・・・・・・・。
——その頃、銀座
——涼side
俺はいつもと同じ、OHのオフィスのデスクで今月の数字を確認中。
「はぁーー・・・・・」
ため息をつき、椅子の背もたれに寄りかかると俺の斜め前に居る
「今月厳しい???」
「あーーー・・・うちのチームで後2500万ーー・・・無理な数字じゃないけどーー・・・今月予算高過ぎ」
ったく・・・。
前年は130%超えなのに会社は欲張って予算を上げてきやがった。
「新規入会希望あと何件だっけ???」
新規ねーー・・・。
俺はPCのキーボードを打ち・・・・。
「あー・・・今月、後ーー・・7件あるけどーーー・・」
「7件なら、オプション付けてもらってーー最大限まで引き上げりゃ余裕でいくんじゃない?」
最大限引き上げって・・・。
軽く言うけど、結構な額だぜ?
一回PCを閉じ煙草を持って喫煙所に行くと珍しい奴が煙草を吸っていた。
そいつは俺の方を見て・・・ニカッと笑い・・・・。
「予算行きそうか???」
そう言った。
ったく・・・。
「お前あんな高い予算組むんじゃないよ!!他人事みたいに笑いやがって・・・。」
俺はその男の横に立ちタバコを吸った。
「高い予算達成したら報奨金も増えるし、お前等ならいけるだろ??低層階で苦戦してる分こっちでカバーしないといけないのもあるしな・・・」
・・・・・・。
「そういう事ねー・・・てかさ、・・・この前のあれ・・・なんなの??」
俺が言うと・・・そいつは・・・。
ニカッと白い歯を見せて笑い・・・・。
「もう準備は整った!!・・・・俊也以外はな!!」
・・・・俊也???
「お前、何考えてるんだって・・・今更こんなとこに連れて来させるとか・・・・。」
「・・・もう来ないのか??・・・あの子は・・・・・。」
・・・・・・。
「来ねーなー・・・きっと・・・」
俺が話をしている相手は、
俺の従兄弟の堂本祐司。
そして、この会社の人間。
祐司が煙草を消し喫煙所を出て行こうとした時、俺の携帯が鳴った。
それは・・知らない携帯番号。
「もしもし?」
電話に出ると、
『・・・・あ・・・・・あの・・・・・・』
えっ?!
・・・・・・ッ?!///////
「結城ちゃん?」
直ぐに分かった・・・・。
その声は・・・結城ちゃんだった。
でも何で・・・。
喫煙所を出ようとした祐司はその名前を聞くと直ぐに振り返って俺を見た。
・・・・・・・。
「あ・・・、あれ・・この番号・・・」
俺教えたっけ??
俺が言うと、
『名刺・・・・』
あ・・・・。
俺、携帯番号書いてある名刺・・・渡しちゃったか。
電話の向こうで彼女は・・・・。
「あ、・・・そうだよね。うん・・・電話くれてありがとう・・・・」
すると、
『あの・・・・あのね・・・、また逢える様に・・・祈ることはするって・・・言ったよね??』
・・・・・///////
『涼君が居る・・・場所・・・・何処か知りたいの・・・・・』
・・・・・・ッ?!
涼君が居る場所が何処か知りたい。
俺は固まった。
祐司は俺の方をジッと見つめ、ニカッと笑って・・・喫煙所を出て行った。
慌てて追いかけて祐司がいるカウンターに向かうと、
案の定、俺の今日のスケジュールを確認している祐司。
「お前何してんだよ!」
俺がそう言うと、
祐司は笑って、
「彼女来るんだろ?・・・入会させろ・・・・。」
はっ?!
「お前何言ってんだよッ!!!おかしいだろ?!」
祐司の肩を押すと・・・祐司は俺の手を掴み、俺をジッと睨んだ。
「お前に任せていたら一向に進まない。・・・・手を焼かすなよ・・・・挙句の果てには俊也にまで先を越されやがって・・・・」
はぁっ?!
「うるせーな・・・・お前が口出すな!!」
祐司は俺の手を退かし・・・・。
「いいから、・・・彼女を入会させろ・・・。お前の為じゃない、・・・・・」
祐司は・・・。
勝手に俺のスケジュールを変え、
今日、目一杯予約が入っている俺のスケジュールに・・・空き時間を作った。
そして、
「彼女の為だ・・・・・・」
そう言った。
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