12月12日

七倉イルカ

第1話 12月10日13時


 昼食を終えてスマホを見ると、真崎美佐からショートメールが届いていた。

 美佐から連絡がきたのは、およそ一年ぶりである。

 『ごぶさたしています。

 突然ですが、今日、会うことは出来ますか?

 お返事待っています』

 長く疎遠になっていた割には、かなり一方的なメールであった。

 疎遠であったことはかまわない。美佐は俺の元カノでも無ければ、幼馴染でも無い。俺の友人、瀬田史郎の彼女が美佐なのだ。

 史郎と美佐、俺の三人で飲みにいったことは何度かある。

 だが、すべては一年以上前の話だ。

 ……ちょうど去年の今頃、史郎は消息不明となったのだ。


 俺は少し考えてからメールを返した。

 『元気にしていましたか?

 夜の七時からでよければ時間を作れます。

 どこか指定の場所はありますか?』


 五分後に返信がきた。

 『ありがとうございます。

 T駅南口の……』

 ファミリーレストランの店名が記されていた。

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