見た夢の話

ピンポン

自宅によく来る保険屋さんの人がいる。中肉中背で優しそうな二枚目の男の人。今日もまたその人がやってきて、この保険がどうとか、あの保険はこうとか色々と説明をしてくれる。パンフレットを受け取り、検討すると答えると満足気に帰って行った。

　その日の夜、夢を見た。

　昼間の保険屋さんが酷く腰の曲がった状態で来訪したのだ。そこでも保険をしつこく勧めてくるものだから、お帰りくださいと言うと

「あー、腰が折れてるんで無理ですね。これだけ書いてください」

　文字は歪んでよく読めないが、帰ってくれるなら と署名すると、その紙を奪うようにして持ち帰っていく。

　目が覚めて、あー嫌な夢見たなぁと思い、キッチンへ行き水を飲んでいると

　ぴんぽーん

　インターホンの音がする。深夜2時に誰かが来るはずは無い。恐る恐る玄関へ行き、覗き窓を覗くと、昼間の保険屋がニタニタとした顔で立っていた。