第8話

「これ?」


「・・・」


「クスコ」

奥の方ちょっと傷ついてるね、

鈴木さんは表情を変えずに言った。



‥傷つけたのはそっちなんだけどなあ、

そう思ったけど勿論言えない。


鈴木さんはクスコを引き抜くと仰向けになった

ぼんやりと天井を見ている


私は鈴木さんの様子を見ながらそっと横向きになった。

イッてないけど、もういいのかな、それともちょっと休憩するのかな。

‥何を考えているのか分からない。

次は何をされるのか、とドキドキしながら鈴木さんを見ていた。


でも、何もされないまま私はいつの間にか眠っていて、目が覚めた時には鈴木さんの姿はなかった。



「あれ‥」



バン!

勢いよくドアが開いて私は飛び跳ねてしまった。

多分まだ朝だ。


「バイトを辞めるって連絡した。お前が住んでるアパートも退去連絡する」


鈴木さんはベッドに腰を降ろしながら言った。


「え?じゃあ私は‥」


「帰す訳ねえだろ」


「ひっ」


鈴木さんの舌が口内に入ってきた。

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