第16話

「ん…うぁっん、加藤君…今日のおっきい…」


「菜月の中は狭い」



――ズチュ ズチュ



もう、イキそうだ―…。






セックスが終わった後、俺達は抱き合っていた。

君の胸に耳を預けていたらトクントクン、と心音が伝わってくる。


ああ、心音ってこんなに心地の良いものだったっけ。

もう少しこのままでいたい。



なんて、考えていたら君は徐に口を開いた。



「…明日あたし、大阪へ行くの」


「え…、!明日…!?なん…で…!?」


「ん―…お父さんと離婚したから、大阪のお婆ちゃんの所に行って多分東京には帰って来ないの」



目を伏せて悲しそうに話す君に俺はどんな言葉をかけていいのか分からなくなってしまった。



そんな俺を見て君は涙を堪えながら笑った。




「また会えたらいいね」


「…ん」


「また会ってくれる?」


「うん」


「加藤君好きだよ…」

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