第14話 異世界調査団

 次元転移後10日が経過した。

 ドローンが集めた膨大な資料の分析が行われ、新人類協和国から30㎞北にある大陸の新人類島と同規模の半島に上陸調査が決定した。

 半島には詳細観測の結果、危険な動植物に有害昆虫も居ない、無人地帯だからと聞いた。


 そんな何も無い所へ調査隊送っても意味無い様に思うが、大陸への進行拠点にしたいそうだ。


 第一次調査隊は、戦闘アンドロイド5人ヒューマノイド一人に何故か隊長に私猶多ゆうたが選ばれ7人の調査隊になった。


 私は現在73歳、使い捨てにしても惜しく無い、新人類協和国唯一の高齢者だから選ばれた? 穿うがった考えかな?


 猴真武首相の説明では、少々の事では動揺せず間違った判断を下さない人生経験が豊富、選ばれた最大の理由は擬態状態では不死身だと言うこと! 調査隊の指揮官に關波羅せきはらさんが最適! との事だった。


 頭脳チート集団の考える事、石橋を叩き割っても通らない、完璧な安全策を立てた様だ。

 私とすれば、異世界人とファーストコンタクトしたい、上陸しても何も起こらず何も収穫の無い調査隊なんて、行く価値が無い様に思った。



 戦闘アンドロイド5人居るので、私の護身用武器は30㎝のスタン警棒……こん棒でブチ殴るくらいは出来るが、もっと格好良い武器が欲しかった。

 殴るより、『気絶』『昏倒』『殺』三段階の電撃を与える棒だ。


 調査隊出発前に、『異世界探索実行委員会』会長、天満てんま 葉加瀬はかせから京子さんに擬態する様に指示を受け、京子さんに擬態し、作業着に着替えた。

 京子さんは美女だ、作業着は似合わないが防斬防弾、特殊繊維の服なので似合う似合わないは言って居られない。


 上陸用舟艇に乗り半島に向かってる。

「セキハラ隊長、私はヒューマノイドNo.7です、宜しくお願いします」

 No.7は、ユキ7号セクサロイドを彷彿させる、スレンダー美女だ。

「No.7……奈々ちゃんと呼んで良い?」

「名前を着けて頂いて、感激して居ります! 奈々そう名乗ります! 帰還後仲間に自慢出来ます!」


 ヒューマノイドに調理補助させて居たが、こんな感情豊富じゃ無かった奈々は特別試用なのか?


 異世界試用なのか? 金属鎧、フルプレート姿のアンドロイド達。

「セキハラ隊長、戦闘アンドロイド56号です」

「護衛宜しく頼む……君はゴロー」

「セキハラ隊長、戦闘アンドロイド24号です」

「宜しく頼む……君はニシ」

「セキハラ隊長、戦闘アンドロイド634号です」

「宜しく頼む……君はムサシ」

「セキハラ隊長、戦闘アンドロイド223号です」

「宜しく頼む……君はフジミ」

「セキハラ隊長、戦闘アンドロイド210号です」

「宜しく頼む……君はニト」


 アンドロイドは、命名を何とも感じて無い? 私の自己満足…仲間っぽくて良いだろ?


 半島中央の入り江、砂浜に上陸用舟艇が乗り上げ停船した。

 建設ロボット20体と資材が降ろされ、続いて私達が下船した。

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