第7話
「真湖ちゃんが可哀想だからハッキリと言ってあげるけど。
彼、本当に仕事?」
そう言う顔は、本当に私に同情しているのか、
先程迄みたいに、笑っていない。
「一体、何が言いたいの?
もしかして、仕事だって嘘付いて彼が浮気してるんじゃないかって事?」
怒りからか、睨み付けてしまう。
「真湖ちゃんも、どっかで分かってんじゃないの?」
「…」
図星なのか、目線を逸らしてしまう。
本来、彼の事を信じているなら、こんな場面なら、そんなわけないでしょ、と、笑い飛ばすのか。
「…でも、彼は警察官なのに。
浮気なんてするわけない…」
昔から、正義感の強い真っ直ぐな彼。
初めは、カッコいいからとその昌也の容姿に惹かれたけど、
好きになったのは、昌也のそんな所。
昌也とは付き合って約6年。
高校に入学し、入った剣道部で私達は出会った。
昌也は私より一つ先輩の二年生で、
私が昌也に一目惚れして、告白して、付き合い出した。
そんな昌也は、高校卒業後、すぐに警察官になり。
学生と社会人になってからも、
私と昌也との関係は上手く行っている。
でも、今夜のように、昌也に仕事を理由に会う約束をキャンセルされる事は度々あり。
最近、特にそれが増えた気がする。
「誕生日の彼女よりもそっちを選ぶって。
彼、真湖ちゃんにそれ程気持ちがないのかもしれないね」
「そんな事ない!」
そう否定するけど。
続く言葉が出ない。
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