汽笛

@Akanesasu-00

第1話

左耳から竜巻が現れること

パトカーがカチューシャの上を走っていること

すぐそばの道を、命が走っていること


走馬灯のように

光る海岸線も街並みも

ゆっくりとつながって


木の皮をめくった

これは病気なんだと嘘をついて


森の中から、汽笛が聴こえる

一緒の小学校を卒業した


迎えにくる、もうすぐ

明かりがつく


箱たちは移動する

木は動かない


わたしは小さくなって

赤い点になる

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