無感情

学生作家志望

全てが冷めてしまった

1時間放置して、冬の寒さに冷めた白飯を無言のまま口に運んでいく作業。


虚無、ただの虚無。でも何もないわけじゃない、何かがあった。でもそれがわからない。


僕はどうしたいんだろう?どうしてほしいんだろう。誰かに「頑張ったね」って言って欲しいのかな。報われるってそんなちっぽけなことなの?


何回も何回も生きて、這い上がって、待ってるのは結局承認欲求を埋める褒め言葉?


それを報われるというならば、頑張る意味ってどこにあるんだろうか。


認めてもらえるのは報われることなんかじゃなくて、自分の心が安心できる素材でしかない。しかも一時的な薬だ。またどうせすぐ崩れる。


無感情のままに白飯を食うこの時間に意味があるなら、教えてほしい。


絶望の中に生きて、絶望のように生きる。こんな絶望に包まれているからこそ、小さな希望を温かいご飯のように感じて、安心する。そうやってギリギリの中でなんとか生きてるんだ。


今は意味のないこの時間も、いつかは必ず。


皿の中から白飯が消えた。次は冷めた味噌汁。



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無感情 学生作家志望 @kokoa555

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