死神
エピマキ
第1話
なぜ世界は残酷だと言われるのか?。
なぜ世界は冷徹だと言われるのか?。
なぜ世界は·····悲劇で出来ているのか·····。
「酒を飲むぞ〜!!」
この世界には"悪魔"と呼ばれる邪神が存在する。
何を生きる糧にするか、何を生きる贄とするか、どの命を差し出すか。
今すぐに選択をしなければ貴方は死ぬ。
「ん?おい!肩がぶつかったぞ!謝罪は無いのか?」
赤黒く染まった石床。血が壁に飛び散る。
気づいたときにはもう遅い、貴方は選択を間違えた·····。
悲鳴をあげる間もなく、貴方の意識はもうない。
「謝罪が遅くなった·····ゴメンナサイ」
不敵に浮かべる黒い笑み。
石床に貴方の血が流れる。
貴方はもう·····"悪魔"となる。
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「マスター。道を間違えました」
「そんな時もあるさ」
次の標的を探して骸は血溜まりから起き上がる。
声のする方へ、足音のする方へ。魂のない肉体は、ヨロヨロと向かう。
血を求め·····血を求め·····血を求め·····。
奥から来たぞ。2人の影が。男と女だ。
女は、長髪の黒髪そして軽装。男は、ウルフカットのホワイトシルバーそして軽装。
格好の獲物だ、未熟な赤子でも殺せる程に。
肉があるぞ、血があるぞ。仲間を増やせ、眷属を増やし続けろ。親のため、邪神のため。
影から忍び寄れ、不意をつけ。さあ、獲物は目の前だ。
背後から襲いかかる悪魔。
少女の腕が、悪魔の頭を掴み地面に叩きつける。
悪魔の頭はグチャグチャに潰れる。
でも、悪魔は死なない。悪魔は不死身だ。
悪魔の頭は、異常な程の速さで再生し、悪魔の頭を掴む少女の腕を握り潰す。
悪魔は隙を与えない。
悪魔の腕は、少女の腹を突き破り、悪魔は高らかに声を上げ笑った。
「おお〜すげえ。まだ生まれたばかりだと言うのに、すごい再生力に加えて、とてつもない殺意。完全に飲まれてんな·····お前」
男は、拍手をする。
目の前で少女が殺されたと言うのに、男は動揺もせず、焦りも見せず、笑みを浮かべながら拍手をする。
悪魔は殺した少女を投げ捨て、ゆっくりと男の方を向く。
悪魔の考えは単純明快。こうも簡単に角人を殺せたのだ。男の方も殺してやろう。
悪魔が地面を蹴り上げ、男に遅いかかる。
「Guilty『呪いの邪神』」
先ほどまでの威勢はどこに行ったのか?。
悪魔の動きが鈍くなる。悪魔の足は千鳥足になり、ヨタヨタフラフラ男の方へ歩く。
向かうさなか、悪魔の右腕が朽ちて落ち、左腕が朽ちて落ち。
悪魔が男の元にたどり着いた時には、両足も朽ちて落ちていた。
悪魔は顔を上げる。
悪魔が見たのは、真顔で見下ろす男の顔。
「お前が強かったら·····。お前に適応が出来たら·····。お前が耐えられたら見る最後の光景は違ったかもな」
悪魔が黒い灰になって消えた。
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