第4話

「いつも青いスーツ着てるの。だから、あだ名が『トラえもん』なんだ」


「へーっ……」


納得はできたけど、なんてすごいネーミングセンスなんだろ。


でも、親しみやすそうだな。



「じゃあ、早速、授業始めるぞ。教科書の110ページ」


みんなはすでに数学の教科書を開いていた。


トラえもん、数学が担当なんだ……。



「先生! 教科書じゃなくて、暗記フライパン出してくださいよー」


「出るか、アホっ」


先生がチョークを投げると、手を挙げていた男子のおでこに見事に当たった。



「あれ、必殺技のチョーク投げね」


「す、すごいね……」


おもしろいクラスだな……。

上手くやってけそう。



こうして、不安と期待が入り交じった複雑な気持ちは和やかなムードのおかげですっかり消えて、それが期待で胸いっぱいになった。

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