目を覚ましてよ
救急車からここまで気を失ったまま。
今もこうしてベッドで一人眠っている。
部屋に真っ白いベッドと
看護師や医師も見られず。
救急車に同乗した主任の
『妻』と言った女性。
それと一人の少女はこの場には居ない。
広々とした部屋に一人だけ。
ある意味、一つの世界。
そこでまた『
『聞こえる? 目を覚ましてよ』
(君は誰なのか僕の心を揺さぶる)
『あの頃を思い出して』
(夜空に問いかける星々が輝く)
『君じゃなきゃな意味がないんだ』
(運命の出会いなのかそれとも偶然か)
『掴めないんだ目を覚ましたら夢を見よう』
(君は誰なのか僕の夢に表れる)
『僕らの夢』
(幻のような微笑み心を奪う)
『誰かが作ったレール上を』
(遥か遠い記憶かそれとも未来か)
『首を傾げて進むんだ』
(君の声が僕を導く)
『本当は分かってるんでしょ?』
(君は誰なのか僕の日々に寄り添う)
『何かのせいにしたってきっと』
(優しい言葉が心を温める)
『許せないのは自分自身だ』
(運命の相手かそれとも友達か)
〝
『本当は分かってるんでしょ?』
(君は誰なのか、僕の全てを知る。)
『遠くなっても見えなくなっても離さない』
(深い瞳が秘密を見透かす)
『君の本当を』
『君の本心を』
『君自身の声で』
(運命の絆かそれとも過程か君の手が僕を導く)
〝
朝日は目覚め、
一人と幻の二人で病室を抜け出し。
まるで知っているかの様に広い広い病院を迷路のゴールラインが最初から知っていたかの様に一歩また一歩と歩み進んでく。
朝日は今半分夢を見ている用な気持ちで半分はしっかりと足を地につけ着実に進んでく。
外科
内科
神経内科
レントゲン室
また外科、内科
まるで道路道表記の様な看板を横目に外に向け。
足を進んでく。
何故か?? 病院の裏口から抜け出し。
幻の〝
はたから見たら、ひとりぼっちの朝日。
繋ぐカノジョとの手、カノジョの左薬指には指輪がはめられていて、朝日の手には何も無い。
(でも君がいる。今こうしてそれが例え幻でも)
連れ添う二人。
朝日にとっては仲良さげ。
ふと朝日がカノジョに話しかける。
「何処に連れて行くんだい?? もう話せないのかい??」
戸惑うカノジョだが、首をフリフリして口開く。
『久しぶりね。どこか悪いの?? まだこっちに来られるのは困るんだけど』
「……………………っ!!」
女性の声を聞いた朝日は人目も気にせず、心と記憶に蓋をした感情が一気に溢れ出る。
「…………………………」
声にならならい泣き叫び。
お天道様もその涙にもらい涙、通り雨が降る。
――サーーーーーー
ひとしきりに泣く朝日に困惑するカノジョ。
「……
〝カノジョ〟の名前は
――サーーーーー
真希が朝日に言う。
『もうハーイ。大丈夫。大丈夫』
あやすように何度も何度も言う。
『大丈夫大丈夫。大丈夫だから。ね??』
朝日は思う。
(懐かしい声……懐かしさのある言葉)
朝日は思う。
(ああ、このひとときの君の雨が永遠に永遠に……)
呼吸を整える朝日。
「…………はあはあ」
――サーーーー
呼吸を整え、朝日は
「真希さんといると……いつも雨に恵まれるね……」
(わかっている。この雨の様に、このひとときが、このひとときだけしか彼女に会えない事を)
『あっここに来る前に思い出してたんでしょ?? そうね……私、雨女だから』
朝日は真っ直ぐな目をして真希に言う。
「僕にとっては恵の雨だよ。真希さん」
どこか赤くなっている様な真希さん。
『…………もうばか』
朝日は改めて尋ねる。
「真希さんはどうして今ここへ??」
真希は言う。
『そうね。飛び立てなくても、その地にとどまって得る幸せもあるかもしれないなってね』
恐る恐る朝日が真希に尋ねる。
「僕の為?」
(でもそれは僕のただの諦めであったとしたら……この雨に濡れ。懐かしさが香る風に想いを乗せて)
『んー半分正確で半分外れかなっ……でも、もう朝日にもちゃんと会えた。心残りはあるけれど……でも』
真希は困った様に笑顔を朝日に向ける。
朝日は改めて思う。
(雨の中の彼女はあの頃のまま太陽の様に明るく……そう時間、もう触れてはいけない時間をを永遠なんてあったなら僕は会えない君を想ってずっと、いやきっと毎日空を見上げることになる)
朝日はボソッと気持ちを吐露する。
「ただの僕のあきらめであったとしたら、きっと毎日空を見上げることになる。ずっと、永遠に……」
真希は悲しそうな顔をして朝日に尋ねる。
『ツバメのお話しってる?』
首を振る朝日
真希は話しを続ける。
『ツバメは知っている。雨の当たらぬ場所はきっと陽も当たらぬ場所だと……』
朝日が聞き返す。
「それがどういう関係があるの?」
改めて真希が先程の話しをする。
『ほらさっきも話したけど、私、雨女だからさ、最初わね飛び立てなくても、その地にとどまって得る幸せもあるかもしれないて想ってた。
朝日の咄嗟に出た一言だった。
「飛び立てないのなら僕も一緒に飛ぼおか??」
――サーーー
『朝日、ちゃんと思い出して。忘れている。自分との約束あるんじゃない』
頭の中の自分がもう一人僕の心に問いかける。
(自分を戒めたくてお前に会いに来た。見失ってしまいそうな。自分を確かめるためにな……守れぬ約束に、また約束を重ね、約束に苦しみ、そして約束に教えられた。ただ一つ許されたい……自分で自分を許す。「それでもいい」と……「生きろ」と
――サーー
朝日は改めて自分自分の心に向き合う。
(あーどうしてこんな胸がちぎれそうなのだろうか??真希さんと再びこうして、出会ったからだろうか? どんなきっかけでも、改めて僕は
朝日が改まって真希に伝える。
「ごめん真希さん!! 俺まだ頑張れるわ!!」
真希もまた朝日に伝える。
『ええ、貴方にはやってもらわなきゃ行けない事がいーーぱい。あるんだからね』
そう言って真希さんは朝日に迷いもなにもない満面の笑みを見せるのだった。
朝日が真希に言う。
「考えたってしかたない!! そうだ!! もう一度、あの場所で、一緒に風を見よう!!」
笑顔の真希が朝日に伝える。
『ふふ。あの場所に行く時は何時も晴れ模様だったものね。でも今日は連れて行きたい所があるの』
朝日が聞き返す。
「連れて行きたい場所??」
真希が朝日に言う。
『あら知らない!? 紹介してなかったかしら私の新しい。
そう言われ周りを見渡す朝日。
おぼろげだが、確かに見たことのあるような風景。
真希が改めて
『あんまり朝日が来てくれないから、実はデートに誘って。迎え来てもらっちゃった。てへ』
笑顔の真希に朝日は呆れつつ。
「だからって
そう朝日の搬送先の病院は、真希の元職場だった。
真希が開き直りながら
『あら?? お迎えありがとう』
やがてまもなく、郊外のはずれにある。
緑豊かな自然公園と一緒に併設された墓地に着く。
朝日は記憶を振り返り思い出し一度だけ来たことを思い出す。
(あの時からショックで酒浸りだったもんな)
朝日と真希は、真希の眠っている。
新しい
朝日が尋ねる。
「何も手土産ないけどいいの??」
真希が答える。
「一度来た時、貴方。ちゃんと覚えてないでしょ?? 改めて知ってほしかったの」
――サー
朝日が疑問に思い尋ねる。
「その、呼び方? 名前から貴方て距離感、感じるんだがなんでだ」
真希はうすら笑みを浮かべて言う。
『内緒っ』
呆れる朝日と真希だが、眠っている場所についた。
墓標には『高梨家』と掘られてる。
真希が言う。
『じゃあ何か宣言してもらいましょう』
朝日が呆れて聞き返す。
「え? 隣に居るのに……」
そこで改めて今の時間を振り返る。
そう真希の時間は止まり、このひとときも幻かもしれない朝日は考えてお墓の真希に向かって言う。
「宣言」
続ける朝日。
「私は昔も今も例え〝忘れようとも〟この好きな気持ち、好きになった気持ちと共に生きていきます。大好きです」
――サ
真希は嬉しそうにして一言。
『雨はもう上がります。これが私の気持ち』
――
―
その言葉通り雨は上がり。
そうして、真希は消えるのだった。
朝日はどこか、この雨上がりのように晴れやかな気持ちになり前向きに生きていこう。
そう決意新たにした。
……だが、此処へ朝日に尋ね人がやって来る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます