青い鳥とTSUNAMI
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(ふふーふーふん)
うたた寝していた上機嫌なアサヒは鼻歌まじり。
だが、何処か夢見心地。
「今朝は調子良くて。いいなあ」
(なんだかポヤポヤする温かい空気だ)
小鳥遊先生も思う。
(そう思ってました)
吹!! バサアーー
窓から風が入る。
散らかり舞う資料達。
「たっく……うん」
犬みたいに鳴く風に戸惑う僕。
窓を閉めるのに外を見ると、そこに僕に眼映る。
(青かあ青、なんて鳥なんだろうな)
散らばった書類を集めるアサヒ。
眠気まじりでまた鼻歌混じる。
(ふふーふーふん)
la……………………………………………………………………
……la………………………
ガタガタガタ!!!!
……………………………………
「ぶぁーおっこいっっしょ!! 寝かぶっとったー」
(地震か!?)
今いる場所、相談室に戻る相談員のアサヒ。
(夢? 現実? なんなんだ?)
「何処の言葉? 方言ですか??」
小鳥遊さんが、相談室で声かける。
「え? 方言熊本? ……ほへ?……えーと」
夢の続きがくしゃみで飛んだ。
アサヒはモヤモヤとしなが考える。
(あーなんだけ、えーと)
la……………………………………………………
……
『君のそばに』
小鳥遊と声が揃う。
小鳥遊先生が言う。
「トイ・ストーリーですよね? あってます?」
驚くアサヒ。
「は?、」
小鳥遊さんは首をフリフリとアサヒの話を遮り。
アサヒは思う。
(気まずい)
書類を整理していると、二枚の絵が目に入る。
「この絵、誰だろうなあ」
それは救急車の絵が二枚。
題材はなんで? と思うが素人目に見ても上手いと思う。
(絵は小鳥遊先生? 野呂?
僕に書いてくれたのだろうと思い。
ちらっと
小鳥遊先生を覗いて……聞こうとした『絵の事』
「こ……これ」
するとタイミングよく相談室の扉が叩かれる。
――コンコン
「どうぞ」
ガチャっ
『失礼します』
人が入ってくる。
!!!! 驚くアサヒ。
「えっ!?」
モヤモヤした気持ち。
ポヤポヤの夢見心地が全部吹き飛んだ。
見覚えのある人物だ。
(かっちゃん!! ……と?)
勝久と隣に連れてる女性は……!?
見つめ合う三人と小鳥遊先生。
『…………………………』
沈黙になる。
ズキン
アサヒの頭に痛みが走る。
「…………ッ」
『…………………………』
ズキン
「…………ッア」
様子がおかしいのに気づいたのは小鳥遊先生
「だ…………」
いじょうぶですか? と尋ねようとした矢先。
ズキン。
ズキンズキンとアサヒの頭を刺激する。
破砕――パリンっ
「……ぐああッ!?」
(うわああああ)
先程とは比べられない頭痛や吐き気がアサヒを襲う。
両手で頭を包みしゃがみ込む。
「ちょっと明野先生!! 大丈夫ですか?」
小鳥遊先生が声をかける。
(ぐわああああああ)
頭が割れそうなアサヒ。
声かけにも答えられない。
顔色はどんどん悪くなる。
アサヒの頭の中で痛みの記憶と
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“風に戸惑う弱気な僕”通り過ぎる季節の中
“通りすがるあの日の幻影”
僕たちが語り合えるなら
“本当は見た目以上” “涙もろい過去がある”
何気ない時の欠片さえかけがえのない未来さ
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「がはっがは……」
アサヒの急激な体調の変化に皆びっくりだ。
アサヒは勝久の連れてる女性に自然と目が行く。
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”止めど流る清か水よ”
”消せど燃ゆる魔性の火よ
それは青い鳥 こんなに近く微笑むから
”あんなに好きな女性に出逢う夏は二度とない”
きっと世界中の空 旅をして大人になる
もう一度 巡り会えるまで
……………………………………………………
アサヒの頭の中で
勝久の連れてきた女性。
面識は無いはずだが、アサヒの頭の
勝久の連れてきた女性と記憶の影が重なる。
アサヒは朦朧とした意識でうわ言を言う。
「見つめ合う……と素直にお喋り……出来ない」
(目と目が合うと上手に言えない)
「………………」
アサヒはボソボソと小さな声で何かを言う。
言葉が小さすぎて、周りも聞き取れない。
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“津波のような侘しさに”
足りない言葉が胸をたたくよ
(I know・・・怯えてる.Hoo・・・)
音、歌詞、歌、
僕は、あまりの辛さに相談室のイスに倒れる。
――端、ガタン。
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一秒ごとに横顔見上げて
瞳の奥でまた名前を呼んでる。
“めぐり逢えた瞬間から魔法が解けない”
(鏡のような夢の中で思い出はいつの日も雨)
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「
そう言うアサヒを勝久が見て。
相談室のイスから地面に横にさせる。
小鳥遊先生の声。
「先生」
かっちゃんが心配の言葉をかける。
「大丈夫かい?」
朝日は朦朧としている。
「ゲホゲホ」
人は求めすぎて 何を失うだろう
”人は誰も愛求めて 闇に彷徨う運命”
「がはがはっ」
“そして風まかせ ”
移り気な雲を 追いかける風も
「ゼーハーゼーハー」
(Oh,My destiny 涙枯れるまで)
重ね合い許し合い この地球を回せば
………………………………………………………………
「フー……」『救急車!!』「救急車よ」「早く」
(小鳥遊さん? 勝久の連れてきた女の人?)
彼女は、心配そうなにこっちを見る。
女の顔……モヤモヤする視界に僕は目だけを見る。
「瞳の奥で、また、……名前を呼んでる」
――頭斤
ズキンズキンと痛み、音? 違う。
(記憶だ)
忘れていた。
忘れていたかった記憶。
思い出の音楽となり。
アサヒの頭の中を駆け巡り。
それは記憶となり再び形になる。
(めぐり逢えた瞬間から魔法が解けない)
「………………マ……さん……き……さん」
(鏡のような夢の中で)
「…………通り過ぎる」
うなされるアサヒは、意識が一回途絶えた。
(
スーと……眠る様なアサヒ。
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きっと青い鳥”夢が終わり目覚める時”
”深い闇に夜明けが来る”
誰もがすぐに見つけるのさ
今も世界のどこかで 生まれゆく朝日の色
”本当は見た目以上打たれ強い僕がいる”
………………………………………………………………
かっちゃんが連れて来た女性。
その方は保健室の先生だった。
相談室と保健室。
連携や情報共有確認が必用と思いやってきたのだ。
また改めて、自分の不在時に野呂さんの対応をこないだしていただいたお礼も兼ねて居たのだが……
保健室の先生がアサヒに駆け寄り。
それに気づくアサヒ。
「な…………にを」
絞り出すアサヒの声。
ズキズキと頭に響き渡る。
(そう歌だ)
「ま…………るで、歌…………謡、さい」
勝久の連れて来た女性がアサヒに話しかける。
「先生大丈夫ですか」
(大丈夫……だいじようぶ、ダイジョウブ……か)
アサヒは、うまく息が吐けずにいる様子。
アサヒは過呼吸を今も起こしているようだ。
教育に、携わるうえ。
過呼吸の対応は一通り頭に入っている。
まず身体を横にし、アサヒに呼びかけを続ける。
僕は皆の声より歌の記憶に魅せられていく。
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心に翼を広げて泣き出しそうな空眺めて
“波に漂うカモメ”それは青い鳥
“きっと世は情け”君が信じてくれるのなら
(Oh,Sweet memory)
“旅立ちを胸に”いつか世界中の空
旅をして大人になる
la……………………………………………………………………
「先生ー!! 先生!!」
アサヒは変わらず変化はない。
だが、アサヒは思う。
(話せないだけでも聞こえてる)
そのまま、
la…………………………………………………………
もう一度 巡り会えるまで
“めぐり逢えた瞬間から死ぬまで好きと言って”
必ず あの日見た夢と 巡り会えるから
”鏡のような夢の中で微笑をくれたのは誰?”
アサヒの意識がどんどん遠のいて行く。
「……………………」
つーとアサヒの左目から流れる涙。
………………………………………………………
好きなのに泣いたのは何故?
思い出はいつの日も……雨。
………………………………………………………
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