俺達、偽恋人の筈だったのですが互いに何かおかしいのですが
アキノリ@pokkey11.1
第1章 偽...?
( ゚д゚)
第1話 アナタとの出会い
山角裕太(やますみゆうた)はかれこれ生まれてから17年間、彼女が居ない。
まあそれは仕方がないと思う。
学校でも目立たない存在だ。
そういう感じにはなるだろう。
黒髪の短髪。
そして四角い黒縁眼鏡。
まあ見て分かるかもだが完全な陰キャである。
友人が男友達で2人居るぐらい。
自慢できる点はそれ以外、何もない。
「ふあ...」
今日も相変わらず眠たい。
昨日遅くまでゲームしたせいだろうけど。
俺は欠伸をしてからヒソヒソ声に気が付き横を見る。
そこに究極の美少女とされる...茶色の髪の毛をしている女子。
友作桜(ともさくさくら)が居る。
その名の通り究極の美少女だ。
どこが美少女なのかといえば小顔。
目が大きく。
2次元オタクである俺ですら無茶苦茶、可愛いと思える美少女だ。
だが。
「あ、あの。友作さん。...今度い...」「お断りします」
まだ殆ど何も言ってないイケメンが敗北した。
友作は男子達をバッサリ切る。
バッサリっていうのはマジにバッサリ。
一刀両断だ。
どんなイケメンであれ。
どんな性格が良い男子であれ。
究極の塩対応。
「相変わらずだな」
「だなぁ」
「孤高の女神だ」
赤くなりながら男子達が噂する。
俺はそれらを聞きながら一言呟く。
くだらん、と。
そして窓から外を見ていると「よ」と声がした。
顔を上げると友人の1人である山家俊介(やまいえしゅんすけ)が居た。
そばかすに眼鏡の青年。
「お前も告白してみたらどうなんだ。...アイツに」
「馬鹿言え。足元にも及ばず散るのは目に見えて分かる」
「やっぱそうかな」
「そうだな。モブはモブなりに静かに居ようぜ」
俺達はそれからゲームの事で会話が盛り上がる。
そして授業合図の鐘が鳴ってから俺は俊介と別れてから教科書を用意する。
すると消しゴムが落ちた。
それからそれは友作の足元に落ちる。
あちゃー。
「...はい」
そう思っていると友作が消しゴムを拾った。
それから俺に渡してくる。
俺はビックリしながら友作を見る。
まあ俺の消しゴムだ。
汚らわしいと蹴飛ばされるかと思ったのだが。
「...有難う」
俺は驚きながらその消しゴムを見てから友作を見る。
友作は俺をチラ見してからそのまま前を向く。
そんな姿に俺は「...」となってから静かに前を向いた。
そして授業を受ける。
☆
放課後になった。
俺は帰る為に下駄箱に向かう。
すると裏口で上級生2名に友作が囲まれているのに気が付いた。
俺は「?」を浮かべて耳を澄ます。
「付き合ってくれるか?」
「私は誰とも付き合いません」
「まあそう言うな。俺達はそういう仲だろ」
友作は嫌がっている。
先生を呼びに行きたいが。
そんな事よりも何だかムカついた。
消しゴムを拾ってくれた暖かさがあったのに。
俺は俊介に一言入れた。
(帰りが遅れる)
と、だ。
そして俺は裏口の戸を開ける。
すると上級生が「あ?」となってから睨む様に俺を見た。
「その子を離してくれ。...俺のクラスメイトなんだ」
「はぁ?お前誰?」
「...貴方...」
俺は静かに友作を見る。
そして上級生2名を見た。
するとそのうちの上級生の1人。
ソイツがこう言った。
「邪魔すんなテメェ。俺の花嫁なんだよ」
は...?花嫁?
俺は「?」を浮かべて居ると友作は唇を噛んでから俯く。
するとその様子に上級生はニヤついた。
それから肩をすくめた。
「しらねぇのかよ。俺の事。...俺は財閥の息子だ。で、桜は花嫁なんだよなぁ」
「ああ。そうなんだな。そういう感じには見えないが」
そう言うと「何だとコラ」と威嚇しまくってきた。
そうしているといきなり友作が俺の腕に自らの腕をからま...は?
俺は予想外の事に「!?」となる。
「実はですね。...彼と先に付き合っています。だから関係性は破棄でお願いします」
「はぁ!!!!?」
「はぁ!?」
まさかの展開だった。
俺は慌てて赤くなりながら友作を見る。
友作はヒソヒソと言ってくる。
「話を合わせて下さい」という感じで、だ。
な、成程。
「そういう...裏切りをするんだな。お前は」
「裏切りじゃないです。...彼と元から付き合っていましたから」
その言葉にイライラし始める上級生達。
青筋を立てている。
それから顔を見合わせてから悪態を吐く。
「親父達が知ったらな。...どうなっても知らねえぞ」
そういう感じで、だ。
そして踵を返して去って行った。
俺から離れる友作。
それから胸を撫で下ろしていた。
「...友作...その。邪魔したんじゃ」
「いえ。...この場に山角さんが来てくれて良かったです」
「...そうなんだな。...まあ良かった...じゃあ俺はこれで」
「待って下さい」
俺の言葉にそう言ってくる友作。
その唇がキュッとなる。
それから俺を見上げてくる。
まさに告白の場面だが。
え?、と思いながら俺はオドオドしていると。
「その。山角くん。私と偽恋人を演じてくれませんか」
そう言われた。
俺は「はい?」となりながら彼女を見る。
彼女は焦る様な感じで俺を見た。
その感じに俺はなんとも言えないまま。
そのままありえない(偽)恋人になってしまった。
そしてここから物語が始まった。
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