バージンなんかに用はない‼(恋愛疾風怒涛篇)

@k0905f0905

第1話

「オイ,真向(まむかい)。キスしようぜ」

タナハシはおちょくり屋だ。クラスメートの

女子生徒に授業中ちょっかいを出しては

適当にあしらわれている。

 だが、バージンで純情可憐、恥ずかしがり屋で

人見知りの真向真(まむかいまこと)はちょっと

勝手が違うのだった。

「ひ、比島先生、た、たなはしくんおかしいんです」

真は必死で窮状を訴えたが、

「どうした真向? 顔が真っ赤だぞ、生理か?」

と、担任の比島はまるで相手にしようとしなかった。

「ちっ、違います、た、タナハシくんが」

「どうした、タナハシ、生理か?」

「ん、なわけないっしょ。オレは男性ホルモン

出まくりなんすから」

 タナハシが腕組みして胸を張った。

「タナハシ、犯罪に走らんように気をつけるように、

それではこの時間の授業はこれまで、以上」

起立、礼。ザワザワ。

「真向。オマエ、デリヘル嬢になってるって

噂、本当か?」

タナハシが真に向かって突然、そう切り出した。

「でっ、でり、ヘル」

真はそうつぶやくとその場で卒倒した。

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