第11話「シェアという選択」



「就活用のスーツって、結構高いんですよね…」


レイカ先輩との帰り道、私は悩みを打ち明けていた。実は昨日、デパートで見たスーツの価格に愕然としたところだった。


「そうなんだよね。でも、私、いいサービス見つけたんだ」


先輩がスマートフォンを取り出し、アプリを見せてくれる。


「これ、ファッションのサブスクリプションサービスっていうの」


早速、「目利き」アプリで確認してみる。


```

サービス名:スマートクローゼット

月額料金:5,800円

特徴:ブランド服月2着レンタル可能

相性:特別な機会の装い

隠れた特性:

- コスト削減効果:高

- 環境負荷:低

- トレンド対応:優

推奨:就活・イベント期間限定利用

```


「へぇ…これなら、スーツ一式買うより…」


計算してみる。新品のスーツ一式は軽く5万円は超えていた。それに比べれば、3ヶ月利用しても2万円もかからない。


「実はね、他にも便利なサービスがあるの」


レイカ先輩が教えてくれたのは、バッグのレンタルサービスだった。


```

サービス名:ラグジュアリーバッグシェア

料金:1回3,800円~

特徴:有名ブランドバッグ・期間限定利用

相性:面接・イベント

隠れた特性:

- 見栄え重視度:高

- 一時利用最適化:◎

- ブランド体験:可能

注目ポイント:所有からシェアへの価値観シフト

```


「全部買おうとしなくても、必要な時に必要なものを借りればいいんだよ」


先輩の言葉に、目から鱗が落ちる思いだった。


その夜、私は今までの買い物を振り返っていた。高額なバッグを買って、結局使わなくなったこと。流行のアイテムを追いかけて、すぐに飽きてしまったこと。


スマートフォンに新しい気づきを記録する。


「発見:『所有』と『利用』の違い

・必要なのは『モノ』それとも『機能』?

・一時的な需要には『シェア』という選択

・環境にも財布にもやさしい選択」


早速、就活用のスーツをレンタルサービスで予約してみる。気に入ったら購入することもできるらしい。


試着室の鏡に映る自分は、なんだかいつもより少し大人に見えた。これまで「持っていること」にこだわっていた私。でも、本当に大切なのは、どう使うかということなのかもしれない。


アプリからの新しいメッセージが届く。


「新しい消費スタイルの発見、おめでとうございます。

賢い選択は、必ずしも『所有』を意味しません。

時には『シェア』という選択肢が、

あなたの可能性を広げてくれるでしょう。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る