金稼ぎはダンジョン・レーシング!
金築・ヨハン
プロローグ
今の私は絶好調だ。
はっきり言える。私は今絶好調だ。
学校を卒業して一年半、この「ルカ特別地区」で毎日休まず研究した結果、私は私のオリジナル魔法の開発に成功した。
いや、正確には成功を目の前にしている。理論と術式は完璧に近い。後は実際に使い、その結果を記録、データ化するだけだ。
「ピンポンー」
自分の成功に感動していたところをいきなり変な音で邪魔されちょっとイラッとしたが、ここは余裕を持つべきだ。
興奮して最後にミスをする話はよくあることだ。むしろここではこの音に感謝するべきだろう。一旦冷静になれる機会をくれたことだから。
この音は確かこの家のドアベルの音だったはずだ。一年半の間引っ越して何日かたってなかった時に聞いた覚えがある。
「どちら様ですか?」
明るい声でドアを開けて目に入ったのは見覚えがない顔の若い女性だった。
「おはようございます!ヴィルトゥス国立銀行ルカ特別地区店のアンナと申します!エイブ様ご本人様でしょうか?」
ヴィルトゥス国立銀行、って....あ
「そ、そうですが....」
「魔法学校卒業生特別ローンの満期日が後一か月になったのでお知らせと研究成果の中間報告を頂きに来ました!ちょっとお時間よろしいでしょうか?」
あ
ああああ
あああああああああああああああああああああああ
これでハッキリした。
今の私は絶不調だ。
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