婚約破棄・追放・実家取り潰しからの逆襲

uribou

第1話

 よくあることです。

 よくあることかしら?

 わたくしは身に覚えのない罪を着せられ、婚約破棄されて、魔物の多い森の中に放り出されたのですわ。


 まあ実際こんなことが我が身に起きてみると、煮えくり返るほど腹も立ちます。

 可愛らしい令嬢を抱え、半笑いでわたくしに汚い言葉を投げつけた元婚約者のデミアン殿下はこの手で地獄に落としてやりたいです。

 しかし……。


 通常貴族に生まれたものには縁がない魔の森ですか。

 何と刺激的なシチュエーションでしょう!

 使うことがないと思っていた知識を活用するいい機会です。


 わたくしは知っています。

 この状況は生き延びることを最優先にしなければならないと。

 余計なことを考えている暇はないのです。


「がるる」

「あら、クマの魔物イビルグリズリーね」


 わたくしは魔物学を学んでいましたから知っていますよ。

 実際に見てみると大きな身体ですこと。


「があああああ!」

「まあ、襲ってくるのね。力の差くらい理解した方がよろしくてよ。ウインドカッター!」


 風の魔法で首を刎ね飛ばします。

 こうすると毛皮をそのまま利用できるから経済的なんですって。

 魔物が必ず持つ魔石は人里で換金できるはずです。

 またイビルグリズリーのお肉はおいしいらしいですし。

 食材を手に入れられたのは嬉しいですね。

 あ、レベルも上がりましたか。


「「「「がるる」」」」

「あらあら、今度はオオカミの魔物ダークウルフですか」


 血の匂いが引き寄せてしまいましたかね。

 肉食魔獣はおいしくないと聞きました。

 大体クマのお肉だけでも食べ切れませんしね。

 ムダな殺生はしたくないです。

 ならば……。


「「「「が、がう?」」」」

「魔力による威圧ですよ。私の力はわかりましたか?」

「「「「がう」」」」


 尻尾が下がりました。

 賢い子達ですね。


「いいですか? わたくしはこのクマの毛皮とお肉と魔石が必要なのです。その他の部分はあなた達にあげましょう」

「「「「がう!」」」」


 物事をよく理解していますね。

 人間もこれくらいわかりやすければいいのに。


「手刀でもいいですが……ああ、ちょうどいい棒がありますね。切れ味を増す付与魔法をかけて、と」


 スパスパとイビルグリズリーを解体していきます。

 しかし貴族学校の勉強とは役に立つものですね。

 魔法にしてもサバイバル実習にしても、ちゃんと身になっているではありませんか。

 魔物だらけの地に放置されても全然不安がありません。

 普通に生き延びられると思います。


「さあ、よろしいですよ。残り物はどうぞ」

「「「「がう!」」」」


 あらあら、可愛いこと。

 食材は魔物肉と森の恵みで大丈夫そうです。

 火も水も魔法でどうにかなります。

 洗浄魔法もあるし……あと必要なのは寝る場所かしら。

 オオカミの魔物達に話しかけます。


「ねえ、あなた達。雨の降り込まない岩穴とかに心当たりはないかしら?」


          ◇


 ――――――――――辺境自由開拓民集落ウィボックにて。冒険者レイザー視点。


 最近のトピックと言えばあれだ、オオカミお嬢。

 明らかに貴族のお嬢と思われるが、時々毛皮や魔石を売りに来る女。

 魔物の多い魔の森で初めて遭った時はビックリした。

 伝え聞く妖魅の類かと思ったくらい、場違いで美しかった。

 聞けば魔の森に住んでいるという。

 どんな酔狂だ。


 ウィボックで暮らせばいいじゃないかと言ったら、困ったような顔をした。

 迷惑がかかるといけませんから、と。

 どういう意味だ?

 そう言えば名前も教えてくれない。

 ややこしい事情を抱えてるのは間違いないが。


 オオカミが仲良くしてくれるので特に不自由ないのですって、何だそれ?

 魔の森のオオカミって、凶暴なダークウルフだろう?

 魔物のダークウルフを飼い馴らしているということか?

 確かにそんな感じだったけれども。

 以来、彼女のことをオオカミお嬢と呼んでいる。


 いや、おそらくは高度な魔法の使い手だから、威圧したんだろうな。

 ダークウルフはバカじゃないからお嬢と敵対するのをやめ、何らかのメリットを得ているんだろう。

 まあ肉を分け与えていると考えるのが妥当か。

 持ち込む魔石の数からすると。


 魔法の使い手は貴重だ。

 ぜひ彼女はウィボックに腰を落ち着けてもらいたいもんだが……。


「レイザー」

「おう、待ってたよ」


 情報屋のケインだ。

 正体不明のオオカミお嬢について調べてもらっていたが?


「何かわかったか?」

「十中八九間違いないと思う」

「そうか。どっちだ?」

「ナンガーラ王国だ」

「やはりな」


 辺境自由開拓民集落群はナンガーラとハイシアの両国に挟まれた位置にある。

 貴族のお嬢なら、両国のどちらかから何らかの事情で流れて来たと考えられる。

 最近ナンガーラがゴタゴタしているということは聞いていたから、可能性としてはナンガーラの方が高いかと思っていた。


「スカーレット・ベイクリーズという侯爵令嬢がいてだな」

「スカーレット? 聞いたことがあるな。確かデミアン第一王子の婚約者だろう」

「よく知ってるじゃねえか。スカーレット嬢は婚約破棄されたんだ」

「ほう、何故?」

「侯爵が急死した」

「ははあ、デミアン王子にとっては後ろ盾として期待できなくなるからか」

「事態はもっとひでえんだ。デミアン王子にいい人ができちまったんだな。それでスカーレット嬢が邪魔になった」

「侯爵の急死を奇貨として追い出したってことか」

「レイザーの想像力もまだまだだな。侯爵はどうやら暗殺されたんだぜ」

「えっ?」


 暗殺?

 侯爵位を持つほどの大貴族を?


「ナンガーラの財政は火の車だ。ベイクリーズ侯爵家の財産を接収して一息吐こうって思惑があったんだと思う。侯爵を殺し、さらにスカーレット嬢に冤罪を被せて婚約破棄し、魔の森に追放。デミアン王子は新恋人とイチャイチャ、ベイクリーズ侯爵家は取り潰しだな」

「やり口がデタラメじゃないか」

「まあな。しかしナンガーラの政体の金食い体質も王家の贅沢も止まるわけじゃねえ。ベイクリーズ侯爵家の財産を取り上げたところで焼け石に水だろ」

「ケインが見るところ、ナンガーラは持たないんだな?」

「今の王家はな。どういう最期になるかはわからねえが」


 おかしいんじゃないかとは聞いていたが、そこまでだったのか。

 ナンガーラは荒れる。

 辺境地区にも影響があると思わざるを得ないが……。


「そのスカーレット・ベイクリーズ侯爵令嬢がオオカミお嬢の正体なのか?」

「侯爵令嬢が魔の森に捨てられて生きていけるもんなのか、ってのはオレも疑問だぜ? ただスカーレット嬢はメチャクチャ優秀らしいんだな」

「だから次期王であろうデミアン王子の婚約者となり、国の立て直しを期待されていた、か」

「特に魔法の実力は秀逸だそうな」

「魔法……確かにオオカミお嬢は相当な魔法の使い手だろうと、推測してはいた」

「だろ? じゃあ間違いなさそうだな」


 魔物を倒せる実力と各種生活魔法があれば、暮らしていく条件は整うってことか。

 ケインのやつは調査だけで満足しているようだが……。


「……つまりオオカミお嬢ことスカーレット嬢は、ナンガーラのごたごたを辺境自由開拓民地区に持ち込みたくなくて、魔の森から出てこないのか」

「と、考えりゃ話は通じるな。まあ彼の令嬢にも思惑はあるんだろうが」


 そりゃそうだ。

 父の侯爵が殺されて家を取り潰され、自身は婚約破棄されて魔の森に追放となっているのに、何も思わないわけがない。

 怒り狂っていて当然だ。

 それでも辺境を巻き込みたくないという理性を働かせているのか。

 何という心の強さ。


「どうする?」

「……俺はあのお嬢に惚れた」

「ハハッ、まあ入れ込んでることはわかってた。が、爆弾だぞ? オレ達の生活を全てパーにしちまうかもしれねえ」


 スカーレット嬢の生存がバレて、ナンガーラの矛先がこっちに向けばな。

 というか魔の森に一人で放り出されて生き延びるポテンシャルは驚きだ。

 見た感じかなりのレベルもあった。

 ナンガーラも復讐の鬼と化すだろう高戦闘力の持ち主、スカーレット嬢を脅威と見るに違いない。

 しかし?


「今のナンガーラは辺境に目を向けている余裕があるのか?」

「徐々になくなる。というか今だって無視されてるじゃねえか」

「どうせナンガーラが内乱にでもなれば、こっちだってある程度被害を被らざるを得まいが」

「まあ、な」

「だったらスカーレット嬢を味方に引き込んで自衛に役立てた方がいい」

「本気かよ?」


 本気だ。


「……まあレイザーの戦闘力と構想力は辺境一だ。そのあんたが自衛に役立つと言うなら」

「わかってくれて嬉しい」

「次にスカーレット嬢が森から出てくるのが楽しみだな」


          ◇


 ――――――――――辺境自由開拓民集落ウィボックにて。スカーレット視点。


「……というわけだ」


 レイザーさんとケインさんという、辺境でも顔役の二人に話を伺いました。

 わたくしの身元はバレちゃってましたよ。

 だったらどこか他の場所へ移住した方が、迷惑がかからなくていいように思えましたが……。


「魔物を退け魔の森で暮らすことのできるスカーレット嬢の力を貸して欲しい」

「力を貸せ、と言いますと? わたくしの事情を御承知のようですが、わたくしがここにいることが知られると、ナンガーラの憎悪を買うかもしれないのですよ?」

「どうせナンガーラは内乱が起きて、辺境なんか見てる余裕がねえよ」

「内乱……そこまでの事態ですか」


 最近の様子は知りませんでしたが。


「魔の森で問題なく生活できるスカーレット嬢の戦闘力は、正直大変なものだ。魔法によるものだと推測しているが。君が生きていることを知れば、むしろ取り込もうとする勢力が多いと思う」

「否応なく辺境も巻き込まれそうな情勢なのさ。だったら組んだ方が賢いだろうっていう、レイザーの意見でな」

「なるほど……」

「スカーレット嬢の考えはいかがだろう? よければウィボックに住んでもらえないだろうか?」


 誘っていただけるのは嬉しいですね。

 わたくしも現在オオカミ達をもふもふできる楽しみはありますが、人恋しいことは事実です。

 また情報に疎くなる生活はどうにも不安です。


「ではお世話になってよろしいでしょうか?」

「「もちろんだ!」」


 ここまで喜んでもらえるとは。


「わたくしは何をすればよろしいでしょう?」

「魔法の実力を期待している」


 ああ、やはり魔法ですか。

 辺境ではなかなか魔法を学ぶことはできないですからね。

 使い手も多くないでしょう。


「では、魔法を覚えたい者に教えればいいですか?」

「「えっ?」」


 あら、求められていることが違いましたか?

 レイザーさんが言います。


「魔物の駆逐と耕作地の拡大を見込めないかと思ってたんだぜ」

「なるほどですね」

「スカーレット嬢は魔法で何ができるのだろうか? かなりの攻撃魔法の使い手だろう、ということは想像できるが」

「一般に知られているくらいの魔法ならば、大概何でも使えますよ」

「マジか」

「すごいな。ではどの程度の魔法を教えられる?」

「集落の自衛に必要ということならば、一般に使用頻度が高いと思われるのは回復・治癒・直接攻撃・身体強化・防壁・付与と言ったところではないでしょうか? 全く魔法のことを知らない者であっても、三ヶ月あれば一つは覚えられると思います」


 魔力の操作を覚えて丸暗記でいいのならば。


「ありがたい! 回復魔法の使い手が増えれば安心だ!」

「では最初は回復魔法をメインで教えましょう」


 回復魔法なら人を傷つけることもありませんしね。

 暴発しても知れてますから安心です。


 ん? ケインさんがニヤニヤしていますね。

 何でしょう?


「このレイザーはスカーレット嬢に惚れちまったみたいなんだ」

「えっ?」

「おい、ケイン!」


 レイザーさんが慌てていますね。

 思えばわたくしは政略に翻弄されて。

 愛を知らぬまま恋に破れて魔の森に追放されたのでした。


 ……王家とデミアン殿下の裏切り。

 ベイクリーズ侯爵家を陥れたこと。

 さらに我が身の状況を考えると、怒りで判断を誤りそうでした。


 しかし復讐は建設的な思考に至りません。

 だからなるべく考えないようにしていたのですが。

 事情を知ってなお惚れたと言われるとグッときますね。


 わたくしが魔の森に追放されてから、初めて会った人がレイザーさんでした。

 オオカミの魔物を引き連れてたらビックリしてましたけど。

 売買して必要なものを手に入れたいわたくしを、親切にウィボックの集落に案内してくださって。


 換金してわたくしが購入していったものが、調理器具と塩と服だったのを不思議そうにしていらっしゃいましたね。

 食べ物は森で調達できますし、洗浄魔法があるので服は汚くなかったですからね?

 でもほつれてきていましたし、服の数がないのは何とも。


 服の着方がわからなかったので店員さんに聞いていたら、また首をかしげていました。

 だって服は侍女に着せ替えてもらっていましたので、自分で着替えることはなかったのですもの。

 レイザーさんには変なところばかり見られていた気がします。

 恥ずかしいです。


 その後ウィボックに来るたびレイザーさんに会いました。

 素性も話さない、魔の森に住んでいる。

 見るからに怪しいわたくしだったと思いますけど、とても親切にしてくださいました。

 真面目で、かなりの腕を持っていて、村の皆さんに信頼されていて。

 素敵な人だと思います。


 赤い顔をしたレイザーさんと目が合います。

 わたくしも鼓動が高鳴りますね。

 何らかの答えが必要な場面です。


「スカーレット嬢。レイザーが答えを待ってるぜ」

「お友達からよろしくお願いいたします」


          ◇


 ――――――――――一年後。スカーレット視点。


 本当にナンガーラ王国で内乱が始まりました。

 情報を集めているケインさんが話してくれます。


「王家派は劣勢だぜ。多分諸侯連合が勝つが、内部の勢力争いや外国の干渉で当分争いは収まらねえよ」

「予想通りだ。スカーレットを捨てた国など滅びればいい」


 レイザーさんは怒っています。

 いえ、わたくしだって腹は立ちますが、ウィボックでの生活で大分心が落ち着いてきました。

 ナンガーラには知った人も多いのです。

 わたくしとしては複雑な気分ですね。


「辺境は万全だぜ。スカーレット嬢の教え子達が癒し手として活動しているからよ」

「冒険者の活動が安全度を増した。可住域がずいぶん増えたな」

「ナンガーラから避難民が来ても受け入れられるぜ」

「よかったです」


 少しずつ辺境の人口が増え、活気が満ちてきています。

 各集落が連携するようになり、またウィボックは辺境の中心として機能するようになってきました。

 大きな一つの自治地区としての体裁が整ってきたのです。


「それから……これをスカーレット嬢に言うのはどうかと思ったんだけどよ」

「何ですか?」

「デミアン第一王子が死んだぜ」

「えっ?」


 デミアン殿下はわたくしの元婚約者です。

 ないことないことわたくしに罪を押しつけたことには、憤りを禁じえません。

 その名を聞くと血が沸騰する気がしますが……。


「何故ですの? まだ殿下が亡くなるほどの最終段階ではないでしょう?」

「女連れで督戦に出向いたところを不意撃ちされたって話だぜ」

「バカも極まる」

「情報が漏れてたんだろうがな。王家の求心力の低下は相当だぜ」

「どうしたスカーレット。顔色が悪いぞ」


 私やベイクリーズ侯爵家にした過去の所業は許せるものではありません。

 何もやり返せない内に亡くなってしまうなんて。

 最後まで気分の悪い人ですね。


 しかし怒りは何も生みません。

 そして過去に失ったものを取り戻すこともできません。

 わかっていたはずなのに心が動揺するのを止められません。

 ああ、わたくしは何と未熟なのでしょう。


「……いえ、大丈夫です」

「今の君には俺がいる」

「はい」


 そう、今の私には頼りになるレイザーさんがいます。

 涙を流している場合じゃないですね。


「おい、レイザー。抱きしめてやれよ」

「こうか」

「……ありがとうございます」


 ふふっ、温かくて安心できますね。

 ニヤニヤしているケインさんがいなければもっとよかったのですけれど。


「方針はどうすんだ? レイザーの考えとしては?」

「どうって、今まで通りだな。ナンガーラに介入したいのは山々だが、俺達には力が足りない」


 ごもっとも。

 辺境自由開拓民地区はまだまだこれからですから。


「ケインは引き続き情報収集と、辺境への移民を募る活動を行ってくれ」

「了解だ」

「スカーレットは魔法教育とオオカミ部隊の統率を頼む」

「わかりました」


 オオカミ部隊ですか?

 わたくしに従っているダークウルフ達を使い、魔物の警戒やもう一つの隣国ハイシアへの牽制に使っているのです。

 ハイシアがナンガーラに干渉しないのはオオカミ部隊のおかげかもしれません。

 一方でハイシアとは交易を進め、いい関係を築きつつあります。


 もっともナンガーラの国境は辺境側だけではないですからね。

 他の国の干渉は防げませんが、とりあえずハイシアが動かなければ辺境自由開拓民地区への影響は小さいです。


「これからだ」


 わたくしを抱きしめながらも、遠くを見つめるレイザーさんの強い眼差し。

 わかります。

 地道に人口と耕作可能域、経済規模を大きくしていくこと。

 ハイシアとの交易を活発化、有益で友好的な緩衝地域であるとハイシアに思わせること。

 ナンガーラの地を治める新勢力と折衝し、辺境地区勢力を認めさせ地位を高めること。

 今後の大きな目標になります。


「結婚はな」

「あら」


 そう来ましたか。

 この二年間色々ありました。

 辺境での幸せなんて、王都でデミアン殿下の婚約者だった二年前には考えもしないことでした。


 思えばデミアン殿下は小うるさいことばかり言ってたわたくしを憎み、不幸に陥れたかったのでしょうか。

 幸せになることが殿下への、ナンガーラ王家への意趣返しになるということは、少々気恥ずかしい気はしますね。

 またベイクリーズ家唯一の生き残りであるわたくしが子を生み育てることは、亡き一族の皆も喜んでくれることでしょう。


「見てらんないぜ」

「見せつけてやろう」

「もう」


 ええ、過去のことを忘れることはできなくても拘らない。

 何もかもこれからなのですから。

 今のわたくしの心は、レイザーさんと辺境にあるのです。

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